人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

出世大作戦

今日はある議員先生の勉強会に潜り混んでいて、某官庁の局長さんから1時間弱の講話を聞く機会をいただいた。

講話といっても、ある政策分野について、官庁としての取り組み方針や展望などについての説明と、ちょっとした質疑応答である。

 

で、まぁその局長さんの優秀なこと!

申し訳ないが、見た感じは「昭和のサラリーマン(といっても平成元年入庁とかだったら昭和ではないw)」な感じで、欧米系のエリートと並んだら、ビジュアルはちょっとアレだけれども(苦笑)、能力的には全然勝っているんじゃないかと想像させる。

 

実際、世界中の行政の偉い方々と、英語で普通に渡り合っているんだと思う。

それにしても、である。

 

あの官公庁の文字だらけのパワポ50枚を次々にスライドさせながら、講話の要点は何で、各スライドのポイントはどこで、なおかつスライドに記載がないが重要なトピックスを織り交ぜつつ、適切にテーマ繰り返して聴衆を迷わせることなく、聞きたかったことや官庁としてのメッセージをしっかり伝え、最後はジョークでしっかり落とす。

言葉も、小生が認識しうる限り完璧な日本語で、誰からもクレームが入らないような中立さを保っており、声もしっかりしていて聞き取りやすい。

 

年に一回出会えるかどうか、というくらいの、溜息が出るようなプレゼンであった。

続く質疑応答も、当意即妙、的確な受け答えで表現も非常に丁寧、全く隙を感じさせない。

 

局長さんにとっては散々しゃべっているテーマかもしれないが、たかが議員先生の私的勉強会のために、スティーブ・ジョブズばりのリハーサルをするわけがなく、多分「あの資料とあの資料をつなげばこれくらいの尺、メッセージはこんな感じ、落ちはアレ、多分質問はこれとこれ、まぁなんとかなるかな」くらいの準備だと思うのだ。

それでやりきってしまう凄さ。

 

こんな優秀な人材が、国の重要なポジションに居ることに、まず国民として安心する。

そして、優秀な人がちゃんと評価されて偉くなっていることに、勧善懲悪の時代劇を見ているようなカタルシスがある。

 

そして思うのだ。

偉くなりたかったら、「こいつをこんなポジションに留めておくのはもったいない」と周囲に思わせるだけの力を発揮しなきゃいけないんだなと。

 

小林一三の言葉に「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」というものがあるが、まさにそんな感じである。

http://earth-words.org/archives/4735

 

どうやったら会社から評価されるかとか、社内マーケテイング的な動きも、会社員を続けていく中では必要かもしれないが、まずは実力を磨くことだよね、という当たり前のことを、改めて思い出させてもらった。

いや、優秀な人材に出会うと、その興奮を肴に何杯でも酒が飲めるのは、根っからの人材エージェントなのだろうか(笑)。

 

まぁ、ご参考ということで。