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苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/04/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本屈指のマーケターであり、経営者と呼んで支障はないであろう森岡氏の最新刊にして、これまでとはだいぶん毛色の異なる一冊。
これから就職活動に向かう長女に宛てた、森岡氏のキャリア論とご自身の回顧録である。
氏のキャリア論については、これまでの書籍でも触れられてきたが、本書はその集大成といった趣。
マーケターらしい考え方ではあるが、森岡氏自身は採用も育成もかなり経験があるので、採用のプロとしての視点でもある。
自身の強みを把握し、どうブランディングしていくか。
世の中から求められるコンピテンシーをTCL(Thinking,Communication ,Leadership )と置いた時に、自分が強いのはどれなのか。
会社と結婚するのではなく、職能を磨くことを目指すべきであること。
自分が情熱を注げる対象を、一生懸命探すこと(苦手なことを無理に伸ばそうとしないこと)。
原理原則から、面接でのテクニカルなところまで、父親の娘に対する過剰な愛情(失礼!)が込められたメッセージが続く。
内容に関しては、まさにその通りだと思う。
しかし本書が読者の心を揺さぶるのは、後半部の森岡氏の回顧録部分。
本書のタイトル通り、苦しかった時の話が、等身大の姿で綴られていく。
流石の強烈なエピソードだが、若き日の森岡氏の苦しみは、必死に働いてきた人間であれば、必ずや共感を得られることと思う。
また、最終章の、これから社会に旅立つ長女に宛てたメッセージは、同じく娘を持つ父親として、深く感動する。
小生は自分の娘に対して、何を伝えるだろうか?
思わずそんなことを考えてしまう。
本書の後半部分だけでも読む価値はあると思うので、子を持つ親の皆さんにも、まだキャリアが確立できていない若者の皆さんにも、是非お勧めしたい。
まぁ、ご参考ということで。