人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

仕事人間になるな

社会人になりたての頃、偉い先輩方から、「仕事人間になるな」と言われたもの。

人格の陶冶、みたいな大きな話をされたように記憶しているが、シニカルで危機感だけは強かった小生は、そんなの成功した人間のバイアスに満ちた振り返りであって、生きるのに必死な我々はバリバリ働いてエンプロイアビリティを上げるべし、と思っていた(その割に、合気道だけは捨てなかったのだけれど)。

 

まぁ、社会人生活も20年を超えて、「仕事人間になるな」という言葉の意味が、少しわかってきたような気がする。

一つは、よく言われる事でもあるが、本気で趣味に打ち込める人は仕事もできる、というもの。

 

時間や資金、体力も限られる中で、本気で何かに取り組むことは、高度な戦略と決断力に裏打ちされる。

仕事に役立てるまでもう一息だ。

 

それから、仕事以外が無い人というのは、価値観や意思決定ロジックを仕事以外に持たないということになるので、そういう人が集まる組織というのは、本当の意味での多様性が維持されない。

多様性がない組織からはイノベーションは生まれない。

 

また、多様性とも関わるかもしれないが、仕事のことばかり考えていると、仕事の意味や価値を客観的に見ることが難しくなり、仕事自体が自己目的化して、一番大事な顧客視点の喪失につながるんじゃないか。

そうなると、仕事も上手くいかなくなって、面白くもなくなる負のスパイラル。

 

あとは、睡眠が足りなくなるくらい働いてしまうと、色々な場面で判断を誤ると思う。

良い意思決定は良いフィジカルコンディションから、である。

 

ということで、仕事人間の弊害は明らかになったが(?)、では若き日のへそ曲がりの小生に伝えるとしたら、なんだろうと考える。

うん、”Work hard, Play hard”かな。

 

普通だ(笑)。

まぁ、ご参考ということで。