人間到る処青山あり

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「TCP/IPのエッセンス」 読了 〜それにしても誰が読む本なのか〜

まずはリンク。

1日で読めてわかるTCP/IPのエッセンス (NextPublishing)

1日で読めてわかるTCP/IPのエッセンス (NextPublishing)

 

 

今年2月あたり、ネットワーク系のお勉強で固めて関係書籍を読んだけれども、時々復習しないと忘れるので、セールの機会にポチった次第。

「復習なら前に読んだ本を読み返せばいいじゃん」というツッコミを、いま自分に対して行なっているが(苦笑)、新しい本であれば違う説明、わかりやすさもあるのかな、と思ったのである。

 

結論を言えば、この手の技術解説書で「違う説明」などあるわけはなく(これもいま考えたら、そんな事があったら困る)、これまで読んだ本とは大きな違いはない。

著者もこれに類するテーマを多く上梓している方のようで、安定感のある文章、構成である。

 

電子書籍としてのレイアウトに特化しているようで、Kindle使いには非常に読みやすいし、タイトルの通りテーマと難易度を絞っているので1日で読み終えると思う。

良書といえば良書である。

 

買って読んだ小生が投げかけるのもおかしいのだが、それにしても、こういった本は誰がどういう利用シーンで読むものなのだろうか。

カタカナ、アルファベット、数字が連続し、ネットワークという目に見えないものの解説を、読んで完全に理解できる人が多いとは思えない。

 

結局、実務レベルで使える技術書、マニュアルを引きながら、仕事に取り組むことでしか深い理解は得られないだろう。

さらに言うと、技術動向は変遷していくので、陳腐化してしまうリスクもある。

 

本書は2014年の刊行なので、5年が経過しているけれども、解説されているIPv4の技術が5年後も必要とされるかというと、不要ではないがわざわざ買ってまで読むものでは無くなっているだろうから、賞味期限は10年だ。

そういう内容のものも含めて、誰でも手軽に手に入れられる日本の出版文化を称えるべきなのだろうが、本書の内容とは別に、知識や知恵の伝承、(出版)ビジネスのあり方など、ふと考えさせられるのであった。

 

まぁ、ご参考ということで。