人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「これからのエリック・ホッファーのために」 読了 〜勇気を持って学び続けよ〜

まずはリンク。

これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得

これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得

 

 

ここしばらく、イノベーションの源泉たる個人のモチベーションを理解したくて、幅広めに読書する中で行き当たった一冊。

在野の研究者である著者が、先達の在野研究者の評伝を記していて、Amazonのレビューも高かったこともあり、拝読。

 

日本の著名だったり、そこまででもなかったりする在野の研究者16名の来歴、研究成果、アカデミズムからの評価などを列記しつつ、在野の研究者に向けた教訓を、四十項目に整理している。

研究内容そのものには深く踏み込んでいないので、平易でわかりやすく、時々ブログの文章のようなライトタッチの記述もあったりで、思いのほかスルッと読める。

 

なんとなく、在野の研究者である著者自身を鼓舞するために書かれているようなニュアンスが感じ取られ、それはそれで微笑ましい。

本書で取り上げられる人々は、それこそタイトルのエリック・ホッファーのように

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC

生計のための仕事に取り組みながら、生涯にわたって研究を続けた人もいれば、まぁ東大まで出たけれどもアカデミズムに興味なく在野で生き抜いた人もいたり、それぞれである。

 

こういった人々を受け入れられないアカデミズムがどうのこうのと申し上げるつもりは、本書も小生もないのだが、はっきり言えることは、みんな純粋な思いで研究に取り組んでいて、故に過ちを犯すこともあるのだけれど、教授になりたくて研究しているわけではなかったということ。

そりゃあ人間だから、名誉は欲しかっただろうけれど、名誉欲で在野の研究は続けられないはず。

 

最近は出世したいサラリーマンも少ないからちょっとアレだけど、社長や部長になりたくて仕事してる奴が、尊敬されるような良い仕事しますか、という話にも通じるのかもしれない。

モチベーションの源泉は…まぁやっぱり自分の好きな気持ちを大事にするというか、そこから目を背けないことなんだろうな、と思う。

 

研究の続け方は人それぞれだから、変に縛られる必要もない。

だって、好きでやっているんだし、そのことを忘れてはいけないのだ、とも感じた。

 

まぁ、ご参考ということで。