人間到る処青山あり

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「顧客起点マーケティング」 読了 〜n=1の深いインサイト〜

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たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

 

 

Facebook上でお勧めする友人があり、著者の在籍した企業に小生もほんの少しだけ関わりがあったため、興味を持って拝読。

もちろんマーケティング分野はよく読むようにしており。

 

外資大手、日本企業、スタートアップ企業などでマーケティングの要職にあった著者が、自らの経験とプロとして学んだマーケティングのノウハウを解説する一冊。

著者独自のフレームワークもあるし、販促・マーケティングブランディングを統合的に扱いながら、スマホネイティブ/デジタルディスラプション時代にどのような戦略を構築すべきか、という論点まで示されている。

 

非常にわかりやすく、実践的であり、個人的にはメモを取りまくったのだが、実践の難易度はちょっと高そう。

統合的な取り組みであり、アドテクノロジーも視野に入っているので、経営の承認を受けたチームで形にしていく感じだろうか。

 

非常に共感を覚えたのは、本書のタイトル通り、たった一人のユーザー分析から入るところ。

たった一人のユーザーインサイトを、とことん深く掘り下げるのである。

 

小生も新規事業開発の伴走時には、「誰に勝ってもらいたいですか?」「その一人は架空のペルソナではなく、実在する人で、その人は絶対買ってくれますか?」なんていうことを聞いたりする。

リクルートでも同じ趣旨で「n=1の深いインサイト」という言葉が存在したりする。

 

一人絶対買ってくれれば、十人が買ってくれる可能性はあるけれど、架空の人物やリサーチは購入を約束してはくれない。

それくらい、深いインサイトは大事なのである。

 

本書でも、その重要性が全体を通して語られており、実際のエピソードも散りばめられているから、読み飽きないと思う(読者対象は、マーケティング初心者というより、実務で多少齧っている中級者向けというところかもしれない)。

巻末のブックリストも素敵なので、さらに知識を深める入り口としても良いのでは。

 

読後の第一印象は、ハーバードビジネスレビューなんかで目にしても全然違和感のないクオリティだな、というものである。

是非ご一読あれ。

 

まぁ、ご参考ということで。