まずはリンク。
新装版「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た日 (講談社+α文庫)
- 作者: 馬場康夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/01/29
- メディア: Kindle版
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冒頭申し上げてしまうが、これは圧巻に面白かった。
ディズニーランドを日本に誘致した男たちの物語である。
いずれも電通に縁のあった、小谷正一氏
と、堀貞一郎氏である。
本書では、この二人の人物伝を軸に、戦後日本のエンターテイメントの勃興・交流と、サブタイトル通り、ディズニーランド誘致・開業までのストーリーが語られる。
冒頭からいきなり、堀貞一郎氏が勝利をもぎ取った、ディズニー経営陣へのプレゼンの場面である。
これがあまりに魅力的で、グイグイと引き込まれていく。
そんなプレゼンされれば、そりゃ勝てるよ、である。
続いて、その堀貞一郎氏の師匠であり、日本にディズニーランドを呼べる地ならしをした(といっても過言ではあるまい)小谷正一氏のビジネス戦歴が綴られていく。
小谷氏について、小生は本書で初めて知ったのだが、井上靖の小説のモデルになるくらいの伝説のプロデューサーなのだそうだ。
ちなみに小説はこちら。
2冊目は闘牛の方が、小谷氏をモデルにした作品のようである。
小谷氏の来歴が語られると同時に、戦後日本のエンターテインメント領域の群像劇のようにもなっており、ただただ「へー!」と感心するエピソードばかり。
著者の馬場氏は、企業人として広報の仕事についていた縁で、堀氏と面識を持ち、その後FMラジオでエンターテインメントの業界関係者にインタビューする番組を、20年に渡って運営していたそうだから、これらのエピソードの手触りたるや、である。
皆、何もないところから作り出していく荒削りさと、バイタリティを持ち合わせ、何よりも仕事を楽しんでいた様子が伺える。
まさに新規事業の醍醐味と、小生なんかは感じてしまう。
ディズニーファンが期待する内容ではないかもしれないが、ディズニーランドを楽しんだことがある人、ビジネス的にディズニーランドに興味を持っている人、エンターテインメントをビジネスにしようとしている人には、是非オススメしたい。
ビジネスのノンフィクションとして、圧巻の面白さである。
まぁ、ご参考ということで。