人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「情熱の階段」 読了 〜日本人闘牛士による激アツのストーリー〜

リンクを貼る。

 

Amazonで本書のタイトル「情熱の階段」と検索すると出てくる商品群がくだらなくてまた良い(笑)。

なんとなく、レコメンドと高評価のレビューからポチった一冊。

 

「たった一人の挑戦」みたいなストーリーは大好物である。

著者は、20年ほど前にスペイン語も話せないのに、テレビでたまたまワンシーン見た闘牛に憧れ、単身スペインに渡り、試行錯誤の中で闘牛士を目指した方であり、その歩みを振り返る構成になっているのが本書。

 

皆さんは、何者でもなかった若者時代に、「これだ」というものに出会い、何かが始まり、人生が変わっていった経験はあるだろうか?

小生にとってはまさに、合気道との出会いがそうだった。

 

著者は、テレビで見たワンシーンの闘牛は、ほんの一瞬だったはずと振り返るが、小生も自分の師匠との出会いは、25年経た今も昨日のことのように記憶している。

その時の出会いも、小生自身の合気道との関わりも、世間一般から見れば、そこまで大した話では無いのだが、個々の人生においては、とても忘れがたい、多分生涯に渡って忘れがたい出来事である。

 

それはともかく、本書では著者が、言葉も文化も不慣れな中、如何に現地で道を切り開き、階段を一歩ずつ上がっていくかが語られていく。

もちろん順調に上がっていったわけではない。

 

苦悩の時期の著者自身の告白は、申し訳ないが、率直に言って見苦しい部分もある。

しかし、いわゆる自分探しをしていた普通の若者が、尋常ではない情熱で、誰もなし得ていない道を切り開くということは、綺麗事ではないということだろう。

 

本書を読んで、「勇気をもらえる」と感じるか、「ここまでは出来ない」「異常」と思うかは、判断が分かれるのかもしれないが、小生にとっては(著者よりは遥かに安全パイの人生を歩んでいるものの)特にその「出会い」において、深く共感できる内容なのであった。

人生のどこかで「何か」に情熱を燃やしたことがある人、今も燃やし続けている人に、是非読んでいただきたいと思う。

 

まぁ、ご参考ということで。