人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」」 読了 〜国際政治を理解する基礎知識〜

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相変わらず池上さんは満足度が高い。

現代史、特に「まさにいま世界で起きていること」と連続するテーマを、わかりやすく、マニアックになり過ぎない深さで解説してくれる。

 

本書では東西冷戦と大国の戦後史、リーダーの栄枯盛衰を主軸に、東南アジアや中東の動きまで網羅する。

終章付近で、通貨や石油といった、国とは違う切り口での現代史解説も加わり、本書を読めば、新聞の国際面の受け止め方も全く変わるのでは、という内容かと思う。

 

最近、ビジネス系と教養系の本を行ったり来たりしているのだが、その「行ったり来たり」をするのに、これくらいの深さと広さがちょうど良い。

深すぎると「浮かび上がってくる」のが大変で、学びを違う領域で活かしたり、戻ってまた「潜る」のが大変な感じがする。

 

特に、ビジネスは多くの変数があって、それぞれの影響度や繋がりを考えなければならないので、思考法としても馴染みやすいし、池上さんの本で語られる政治・経済はビジネスと直結する。

繋がり、という意味でも、やはりある程度の広さが必要であるが、百科事典のようになっては各項目の関連性が希薄になるので、やはり良い塩梅。

 

というわけで、ビジネスパーソンにこそ、是非本書をお読みいただきたい。

余談だが、本書を読んで、昔のスパイ小説を読みたくなってしまった。

 

まぁ、ご参考ということで。