人間到る処青山あり

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「科学哲学への招待」 読了 〜学問の学問とは〜

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科学哲学への招待 (ちくま学芸文庫)

科学哲学への招待 (ちくま学芸文庫)

 

 

一般教養系の本を漁る中で出てきた一冊。

科学哲学という言葉に既に馴染みがないのだが、科学という分野をどのように捉え、どのような姿を追求べきか、という学問領域のようで、言ってみれば「学問の学問」といったところだろうか。

 

本書は、割と普遍的な学問の歴史を紐解く章があり、それを受ける形で科学哲学の議論の変遷を追っていく章へと続いていく。

最終的には、科学が向き合う倫理の領域への問題提起で帰結する。

 

日本の教育体系が文理に別れていることについては、色々議論のあるところであるが、なるほど科学の歴史を遡れば、文理が同一であった時代も長く続いてきたし、いま改めて文理が統一されたアプローチこそ求められている、ということを感じざるを得ない。

本書の内容は、一般的な科学をさらに抽象化した議論なので、実利を求める人には全く意義は感じられないと思うが、見たことも聞いたこともない事態に直面せざるを得ない時代に生きる我々にとっては、そのような事態にどのように向き合うべきか、どのような議論をすべきかについて、一定の指針を与えてくれるのだと思う。

 

まぁ、ご参考ということで。