人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「脳は、なぜあなたをだますのか」 読了

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これはまぁ、個人的には大好物のジャンルだったりする。

著者の専門は認知心理学で、人間の知覚が心にどのような影響を与えるか、というのを研究している。

 

本書では、その研究成果の一端が披露されていて、それだけでも「へーっ!!」の連続」。

人間には本当に意思があるのか、なぜ「オレオレ詐偽」に騙されるのか、自分の写真写りがイマイチなのはなぜなのか、といった素人の興味を引きつけてやまないテーマが連続する。

 

一方で、著者のもう一つのメッセージは、心理実験の作り込みの面白さと奥深さ、だったりもする。

本書をお読みいただければわかる通り、人間の心理というのはきわめてあやふやなもの。

 

そこに、「結論ありき」の実験を設計してしまうと、明らかに誤った答えを導いてしまいかねないので、如何に客観的なフィードバックを得られるようにするか、という高度な実験設計センスが求められるのである。

これは小生の仕事である新規事業開発でも共感できる話で、インタビューやアンケートで、如何にフラットな、「生」の声を拾えるかが、新規事業開発のキモだったりする。

 

コンパクトな一冊であり、驚きの連続でもある本書は、是非多くの人に読んでもらいたいと感じる次第。

まぁ、ご参考ということで。さ