人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「ソロモンの指輪 動物行動学入門」 読了

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ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

 

 

Kindleのセールで発見し、評価も高かったのでポチった一冊。

なんとなくの興味ではあったが、動物としての人間を考えさせられるところもあり、意義深い内容であった。

 

著者はこういう来歴の人である。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%84

 

ご覧になっていただければわかるが、本の書かれた年代は1949年となかなかに古い。

動物の行動研究のパイオニアといって差し支えない方の本なので、登場する時代背景は古いし、動物観察の手法も、共に暮らしてみるところからと、原始的であり魅力的でもある。

 

攻撃性の低い動物ほど、檻で囲った環境では仲間を殺し、攻撃性の高い動物ほど、致命傷に至る前に歯止めがかかる習性を獲得している、というくだりは、核開発競争がはじまりつつあった人類に対し、攻撃力と抑止力はセットでなければならないと、イデオロギー的含意を伝えようとしているようにも感じられる。

子供の頃、理科や生物に興味があった人であれば、知識として得るものはあまり無いかもしれない。

 

しかし、パイオニアの試行錯誤や情熱というのは、パイオニアでしか語れないところでもあり、とても面白く読ませていただいた。

まぁ、ご参考ということで。