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- 作者: コンラートローレンツ,Konrad Lorenz,日高敏隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1998/03/01
- メディア: 文庫
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Kindleのセールで発見し、評価も高かったのでポチった一冊。
なんとなくの興味ではあったが、動物としての人間を考えさせられるところもあり、意義深い内容であった。
著者はこういう来歴の人である。
ご覧になっていただければわかるが、本の書かれた年代は1949年となかなかに古い。
動物の行動研究のパイオニアといって差し支えない方の本なので、登場する時代背景は古いし、動物観察の手法も、共に暮らしてみるところからと、原始的であり魅力的でもある。
攻撃性の低い動物ほど、檻で囲った環境では仲間を殺し、攻撃性の高い動物ほど、致命傷に至る前に歯止めがかかる習性を獲得している、というくだりは、核開発競争がはじまりつつあった人類に対し、攻撃力と抑止力はセットでなければならないと、イデオロギー的含意を伝えようとしているようにも感じられる。
子供の頃、理科や生物に興味があった人であれば、知識として得るものはあまり無いかもしれない。
しかし、パイオニアの試行錯誤や情熱というのは、パイオニアでしか語れないところでもあり、とても面白く読ませていただいた。
まぁ、ご参考ということで。