これ、実際に新規事業の起案者と伴走している時によく使うテクニックなのだけれど。
事業計画書を書く際に、必須項目になるのが収支のところ。
単年度の収支のところから、似ている事例を援用するケースもあるが、単年度の収支くらいは、企画する人がきっちり抜け漏れなく考え抜いていただきたい。
で、単年度の収支は考えたとしても、2年目3年目、時に5年10年先となると、さっぱり見当がつかない、という事態は、正直存在する。
そこも本当は起案者にしっかり考えてもらいたいところだが、あまりに未来の話になると、不確実性の方が高まっていくので、どこまでパワーをかけて予測をするのか、という観点もあり、この辺から似ている事例の成長ストーリーを援用していくのが、なにかと都合がよろしい。
都合がよいというのは、実際の類似事例を援用することで、説得力が上がるというのもあるし、実際の事例を踏まえると、良い点も悪い点も理解しやすいので、経営側も地に足をつけた判断ができる、ということでもある。
似ている事例を援用するメリットは収支にとどまらない。
営業、管理、オペレーションの計画も、リアリティをもって組み立てることができる。
とくに、過去にその会社で経験した事例を利用できれば、そのリアリティ、説得力は格別である。
「あの時はああいう流れだったから、ここまできたら営業を増強する」「取引先数が何件まで増えたタイミングで管理ツールを導入する」「販売エリアを名阪に拡大するタイミングで、物流も手を入れる」みたいな話ができて、事業計画の説得力や正しさはグッとレベルがあがる。
むしろ事業計画書に着手する前に、「書こうとしている事業って、何に似ているんだっけ?」という問いを、是非投げかけてみてほしい。
事業計画の作成が、かなり楽になるはずだからだ。
まぁ、ご参考ということで。