人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「『国境なき医師団』を見に行く」 読了

リンクを貼る。

「国境なき医師団」を見に行く

「国境なき医師団」を見に行く

 

 

みうらじゅんを読んだから、セットでいとうせいこう、という訳ではないのだけれども(苦笑)。

たまたま電子書籍のセールで、興味関心のあるテーマだったので購入した次第。

 

小生、ユニセフとWFPにはこの10年くらい寄付を続けていて、そういう属性だと、国境なき医師団からも寄付のお願いは何度か来ていた。

素晴らしい活動に取り組まれているとは認識していたが、無尽蔵に寄付の枠を追加できる訳ではないので、特に関わっていなかったのだが、折角の機会だったので、一読させていただいた。

 

本書の内容は、作家のいとうせいこう氏が、国境なき医師団の広報の協力を得ながら、世界各地の現場を見に行く、というもの。

ハイチ、ギリシア、フィリピン、ウガンダと、お国も様々、支援する対象の困難も様々、国境なき医師団の取り組みも様々、という内容が、いとう氏自身の目や感性を通じて語られて行く。

 

ジャーナリスティックなトーンというよりは、作家性が出ており、それはそれで良い内容だと思う。

語られる現場の大変さは想像を絶するし、その中で自らの意思で医師団の活動に従事する人々(医師だけではなく、ロジスティクスやオペレーションを担当する人、広報やサポートに従事する人など様々)の尊さは、普段日本で生活する身としては、なかなかお目にかかれないものである。

 

しかし、本書でいとう氏が伝えたかったことは、支援される側も、支援する側も、極東の地で傍観する我々も、いつなんどき入れ替わるかわからないのだ、ということだったと思う。

それは即ち、支援される側の人たちを、「我々と同じ」人間として尊敬し、共感し、支えるということに繋がっていく。

 

普段、ビジネスばかり頭にあるので、忘れてしまいがちなのだが、ビジネス以前に人間として大事なことはなんなのか、思い起こさせてくれる。

また、それが前提として存在してこそ、ビジネスとして成立するところもあるんだろうと考えたりもする。

 

ご興味のある向きは、是非ご一読を。

改めて小生も、少額ながら寄付をしてみたいと思う。

 

まぁ、ご参考ということで。