人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「はじめよう!バードウォッチング」 読了

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はじめよう! バードウォッチング (BIRDER SPECIAL)

はじめよう! バードウォッチング (BIRDER SPECIAL)

 

 

娘をどんな風に外に連れ出し、遊び方を身につけてもらうか、というのを腐心する中で、なんとなく施設のある大きな公園でバードウォッチングに触れる機会があった。

施設の学芸員の方に手ほどきを受けながら、公園の鳥たちを観察してみると、娘だけでなく家族全員が興味津々で、思いのほか好評ということで、もう少し踏み込んでみるべく、手にとった一冊。

 

バードウォッチングの専門誌が編集した初心者向けの解説用ムックという体裁。

前編フルカラーで見やすいし、専門的知識に流れることなく、あくまで初心者がバードウォッチングに興味を持ってもらうきっかけを掴んでもらう内容を徹底している。

 

初心者向けの本というのは「いかにその趣味が楽しいか」というのもあるが、「その趣味を通じて新しい視点を提供できるか」というところが大事なのではないか。

日々の生活の中で、そこに野鳥がいないか、いたとしたらそこから何を読み取るのか、というアクションは、これまでと同じ人生に、新たな視点を提供するものである。

 

マルセル・プルーストの名言に、「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ 。」というものがある。

これは新規事業の発想にもとても大事なことで、誰も「見たことも聞いたこともない事業」を立ち上げるのが新規事業だと思い込んでいる人もいるのだけれど、既存の事業に新しい視点で切り込んでいくことも新規事業なのだ。

 

たかがバードウォッチングに、「新しい視点」だなんて大げさな、と思われるかもしれない。

しかし、本書を読んで、気付かされたことがある。

 

本書が提示する、野鳥の観察エリアの中に、河川があるのだが、その河川は、川岸に植生があり、河原や洲のあるもの。

しかし、小生の居住エリアに存在する河川は、いずれもコンクリートで岸壁が固められており、土手に芝は生えているものの、植生といえるほどではなく、当然河原も洲もない。

 

小生自宅近隣は、「住宅地といえども川に囲まれて比較的自然豊かなエリア」という風に認識していたが、それはあくまで人間視点であって、野鳥の視点からすれば、そうでもない(居ないわけではないけれど)。

これは、これまで持っていなかった「新たな視点」であり、大きく捉えれば社会をよりよくするヒントが隠されているのかもしれないのである。

 

ビジネスからは縁遠い本だけれど、「新しい視点」を得ることの重要性を再認識させてくれたということで、あえて取り上げたい。

まぁ、ご参考ということで。