リンクを貼っておく。
新規事業界隈では、未来に即した企画が求められていて、その中でも、最も確実な未来予測が人口動態である。
ネット記事等である程度は抑えていたつもりだし、「最終バスに乗り遅れた」という表現があるほど、人口増加には既に有効な打ち手を失ってしまっていることを理解していても、本書は衝撃である。
NHKスペシャルで放送された内容を、書籍化したというのが本書の内容。
人口が減少し、財政も破綻している夕張市、30年後の日本の人口構成を既に体現している島根県、首都圏でありながら人口現象の脅威が忍び寄る豊島区、横須賀市の実態を丹念に追っていく。
個人的に最も衝撃だったのが島根県の状況で、松江から離れたエリアでは行政の住民サービス運営が成り立たず、予算付けだけをして、後の運営は地域住民の自治に任せるという取り組みを、既に始めているらしい。
UターンIターンを促すイベントに取り組む地域あり、残された住民の福祉に注力する地域ありと、運営は様々だが、今日現在でそうなっているエリアが存在することに驚きである。
UターンIターンのイベントに取り組む地域では、実際に移住した住民も出たものの、地域を維持するには明らかに不足していることも明かされ、暗澹たる思い。
また夕張では、人口減少と財政破綻で、既に住民の生存権に関わる事態にまで悪化しており、もはや「地方創生」とか、それをテーマにする新規事業案などが空虚に感じられるほど。
かといって、「地方創生を諦める」という選択肢も無く、どうしたものかと思い悩む次第。
全日本人必読の書である。
一応、NHKオンデマンドの番組リンクも貼っておく。
まぁ、ご参考ということで。