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ソーシャルデザイン実践ガイド――地域の課題を解決する7つのステップ
- 作者: 筧裕介
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2013/09/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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新規事業開発に取り組んでいると、意外に思われるかもしれないが、社会課題への関心は強まっていくものだと思う。
企業の中の新規事業開発だから、営利事業としての可能性を探っていくわけだけれども、新規事業の裏側には、その機会を生み出す社会背景の変化というのが必ず存在する。
介護領域のビジネス機会は広がっているが、その背景には当然高齢化がある。
高齢化だからといって、ハコモノの老人ホームを建てるかというと、そんなに増えていないのは、人口構成の変化が背景にあって、今後は老人「も」減っていくので、長期の投資は回収できないから。
狙うのは収益事業だけれど、その裏側に潜む社会背景を理解しなければ、事業計画は立てられない。
なので、新規事業に関わっていると、社会課題への関心は強くなっていく。
残念ながら、これから日本が迎える社会課題は大変深刻なので、知れば知るほど、なんとかしなければ、と思うので、手にとった一冊。
前置きが長くなったが、いざ読み進めてみると、筆者のグループが取り組んでいることは、小生が仕事で向き合っていることと、非常に近いと感じた。
地域の課題解決であれば、大まかな調査から、現地でのインタビューを通じて、課題の姿を明確にしていき、チームが解決すべき課題は何か、議論を通じて絞り込んでいく。
解決すべき課題は、地域の方々と関わりながら、彼らを仲間として巻き込み、具体的な解決策と、アクションに落とし込んでいく。
最終的には、持続可能なカタチに仕立て、次の展開を模索していく。
非常に近いなと感じたのは、前段の課題を絞り込んでいくプロセス。
「業として」新規事業を作り続ける立場でもない限り、基本的には殆どの会社員が、希少な経験として新規事業に取り組むのだけれど、一番苦労するのがテーマ探索なのだ。
自分は何を事業として掲げるのか、ここの絞り込みが雑だと、事業案の推進力が乏しくなってしまうし、起案者自身のモチベーションも折れていく。
本書を読んで、改めてテーマ探索を丁寧に寄り添っていかないといけないな、「その人にしか語れない物語」を紡がなければいけないな、と思ったのである。
その辺は昨日書いた。
「新規事業の作り方」みたいな本を読んでも、どうにも形になる気がしない、という方は、是非一度本書を読んでみることをオススメしたい。
きっと刺激を受けるのではないだろうか。
まぁ、ご参考ということで。