人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

ダイバーシティと新規事業

企業におけるダイバーシティについては、色々な角度から後押しする意見が出されている。

その中に、ダイバーシティが担保された組織の方が、イノベーションが起こりやすいのだ、というものもある。

 

そういう意見について、もともと個人的には、「本当にそうかなぁ?」と考えているタイプである。

いろんなタイプの人が居るというだけで、イノベーションが生まれるなら、社会はもっとイノベーティブだし、一人の天才のアイデアが社会的にインパクトをもたらしたことだってあるわけで。

 

ただ、色々な会社で、新規事業創出のお手伝いをしていての感覚値なのだが、わりとモノカルチャーな会社(登場人物が殆どスーツ姿の男性社員みたいな)の場合、苦戦するような印象は、正直ある。

決して、新規事業が作れない訳では無くて、「苦戦する」という程度なのだが。

 

どう「苦戦」するかというと、基本的には起案者や組織として「やりたいこと」や、顧客に「求められていること」をシンプルに追求すれば良いはずなのに、変な忖度が入るのである。

「もう少し尖らせたい」「もっとスケールの大きな話にしなければ」「うちの会社はこういうテーマが好きではないはずだ」「このまま進めると既存事業の延長と言われてしまうのではないか」 みたいなことを、起案者が自分で自分の事業提案にツッコミを入れ、答えられずに検討に時間がかかってしまう感じ。

 

正直、「そんなの先にコンセプトを定めてから、後で考えれば良くないですか?」「信念を持って提案し、ご判断は偉い方に任せれば良くないですか?」という話のように思う。

これって結局、起案者自身も、「内向きの議論」「所属している組織の論理」で考えざるを得ない、ということなのではないだろうか。

 

それをぶっ壊すのが、外部の我々の役割かもしれないし、イノベーションは「ばかもの、よそもの、わかもの」が起こすというのも、そういうことを言っているのかもしれないけれど。

ダイバーシティは大事と言われるが、要するに組織としての自己変革、健全な意味での自己否定ができるのか、ということがイノベーションには一番重要なのではないだろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。