人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「ゼロ・トゥ・ワン」 読了

まずはリンク。

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

 

 

先日もちらっと触れたが、浜松ホトニクス中興の祖、晝馬氏の本

知らないこと、できないことに価値がある

知らないこと、できないことに価値がある

 

 に引き続き、積ん読中だった本書に手をつけた次第。

もう四年もたっているので、遅いといえば遅いのだが、読まないよりはマシ。

 

「ペイパルマフィア」と呼ばれ、現在シリコンバレーで最も活躍する著者による指南書である。

比較的砕けた筆致で本質的な議論が重ねられ、読みやすい一冊。

 

偶然にも晝馬氏と主張は非常に似通っているのだが、要点は真の意味で新しい取り組みにチャレンジしなければ、すぐに真似されてしまうということ。

さらに言えば、いかに「市場を独占できるか?」を意識せよ、ということでもある。

 

独占できなければ、継続的に高い収益をあげ続けることは不可能で、それはペイパルもそうだし、著者が引き合いに出すグーグルもそうだし、晝馬氏の浜松ホトニクスだってそうだ。

本書では、事業として重要な点として7項目提示し、その中に「独占」も入っているのだが、ほかにある「(劇的にブレークスルー可能な)エンジニアリング」「永続性」「隠れた真実(他社が気づいていない、独自のチャンス)」も、結局は「独占」に資するものと解釈した。

 

事業を組み立てる上でも、運営していく上でも、良く「差別化のポイントは何か?」という議論は為されると思う。

とても重要なのだが、この問いから出発してしまうと、いつも「差異化」の議論に矮小化されてしまうと感じていた。

 

ここに、「独占」という概念を持ち込み、「独占できる市場はどこか?」「独占するためにはどうしたら良いのか?」という問いを立てることで、本当の意味で重要な、「差別化のポイント」について、議論できるような気がした。

本書では、「ゼロからイチ」だけに限らず、意味ある示唆が得られるのではないだろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。