人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

自社製品への愛は必要なのか

小生の父はある酒造メーカーの営業マンだった。

幼い頃、家族と外食する際には、自社製品を扱っているお店にしか連れて行ってもらえなかった。

 

ジュースが飲みたくても、自社製品がなければ水で我慢する、そういうことだった。

小学生くらいの頃、「父は働くことによって貢献しているのだから、プライベートでそこまでする必要性はないはずだ」と述べたところ、母親から「会社から給料を貰うというのはそういうことではない」と諭され、引き下がるしかなかった記憶がある。

 

社会人になって、流石に親の言わんとすることは理解できたが、自社製品への愛が必要かと問われれば、「それはあった方が良い」という頼りない答えしか持ち得ていない。

自社製品のターゲットが、社員のプロファイルと異なれば、そりゃ無理強いはおかしいし、経営的に見れば、「愛」がなくても売れる仕組みを作るのが本筋だとも思う。

 

選択肢が色々ある中で、「どうせなら自社製品を買っておいた方が、ねぇ…」という程度なら、そりゃ「愛」とは呼ばないんだろうし。

修羅場や高い目標にチャレンジしている環境下で、「何がなんでも!」というノリの、自社全体へロイヤリティが強い状態というのもまた、自社製品への愛かと言えば、ちと違うような気がする(ロイヤリティがあるから、自社製品をもっとこうするべきだ、というスタンスは、「愛」かもしれないが)。

 

はっきり言えるのは、仕事でそれなりのパワーと時間を費やしている以上、そこに愛がなければ、本人も会社も不幸であろうということ。

不幸であるなら、時と場合によっては、お互い別の道を歩んだ方がいいこともあるし、それが出来ないのなら、「好きになる努力」をするしかないのかもしれない。

 

という訳で、自社製品への愛は、「それはあった方が良い」と、頼りなく考えているのだが。

皆さんはどうだろうか?

 

まぁ、ご参考ということで。