人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

給料は貰うものか、稼ぐものか

何のことか。

会社員の意識の話をしている。

 

会社から指示された仕事をし、その対価を得るというスタイルが、「貰う」という感覚に近い。

会社に給料以上の付加価値を提供し、会社資産の利用等の「使用料」を差し引いた分を目安として報酬を得るというのが、「稼ぐ」という感じであろうか。

 

ちょっと攻撃的な表現だし、その表現には、言外に「稼ぐべし、貰う意識の者は去るべし」というニュアンスも入ってしまう。

もちろん、ビジネスパーソンとしての「べき論」は、「稼ぐ」ものであるべきだと考えている。

 

「貰う」意識のビジネスパーソンは、いつでも置き換え可能な存在でしかないし、そんな人ばかりでは、長期的に組織は維持できなくなると思う。

ただ、冷静に考えたいのは、「稼ぐ」ビジネスパーソンは、最初から、常に稼いでいるのか、ということである。

 

大きく稼げるようになるには、一定の経験と専門性が求められ、それは一朝一夕に作られるものではない。

また、高度な専門性は、それ故に陳腐化した時の損失も大きく、永遠に稼げる専門性というのもまた、極めて限定的である。

 

そう、要するに賃金カーブの議論で必ず併記される、「貢献度」の問題である。

「稼ぐ」意識にこだわり過ぎると、目先の貢献に囚われ、長期的な付加価値極大化を見落とし(求人情報に出てくる「すぐ稼げる」求人は、稼げる額の天井もしれていることが多い)、まだ今の専門の方が稼げるからと、新しい専門領域の獲得に出遅れるリスクも生じる。

 

組織への甘えは論外だとしても、貢献する付加価値をどう作り上げていくのかは、プロの会社員としてはバランスのとれた議論をしたいものである。

まぁ、ご参考ということで。