人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「インビシブル・インフルエンス」読了

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インビジブル・インフルエンス 決断させる力 https://www.amazon.co.jp/dp/B01MRZVQ76/ref=cm_sw_r_cp_api_bPAEAb4VVW6CJ

 

人間の意思決定に関わる影響力について、社会心理学的なアプローチから紹介した本である。

読書の動機は、「新規事業をやる!」という意思決定を、どうやって企業の「偉い人」に行ってもらえるか、そのヒントがないかと考えたことによる。

 

ヒントについては、あるといえばあるし、ないといえばないとも言える。

というのは、人間の選択傾向として、「ほどほど似ていて、ほどほど個性的」というものが好まれると述べられており、その「ほどほど」感は結局、個別具体に見ていかないと、判断がつかないからである。

 

こんな感じで、この本に書いていることが実際に使えるかどうか、という点に関しては、類書同様「魔法の杖」にはなり得ないが、知っておいて損はないティップス、思わず人に話したくなる豆知識が満載である。

洋書にしては冗長にならず、ビジネス書ばかり読む小生にとっては大変読みやすかったのだが、これは著者がアメリカの経営大学院でマーケティングの教鞭をとっていることとも無縁ではあるまい。

 

そういう意味では、営業やマーケティング、新規事業開発に従事するビジネスパーソンにはお勧めできる良書だと思う。

それにしても、引用される研究成果は、ほとんどアメリカ人を被験者とする実験に基づくのだが、被験者の観察結果が本当に「あるある」というか、共感出来る行動で、案外人間の嗜好なんて、そう変わらないものなのだなと、思い知らされたことが、印象深かった。

 

まぁ、ご参考ということで。