先日「江副浩正」という本の感想はシェアした通り。
その中に出てくるのだが、江副氏は創業期に、「わからないことはお客様に聞く主義」というのを標榜していたそうだ。
これはもちろん新規事業でも、業務改善でも、営業活動でも一緒。
個人的にもその通りだと思う。
さらに、とても重要な知見を残されている。
それは、「予見(予想、仮説)を持ってお客様のご意見を聞き、予見とお客様のご意見の中間にこそ、正解がある」ということである。
まさに感心しきり、である。
まず、なんの予見(予想、仮説)も持たずに行うインタビューほど無意味なものはない。
「こういう風に考えているのですが、いかが思われますか?」というところまで踏み込んだ質問をするからこそ、お客様は普段ご自身でも意識していなかった、深いインサイトを答えることができる。
それはある種、仮説という目に見えないプロトタイプをぶつけ、その反応を見る作業である。
しばしば、「ニーズを聞いても顧客は答えられない」、という意見があるが、それは予見(予想、仮説)無しに、何が欲しいかを聞いてしまうから、深いインサイトが得られないということだと考えている。
一方で、どんなに優れたビジネスパーソンでも、お客様の頭の中を完全に読み解くことはできない。
予見を持ってあたり、お客様の深いインサイトを引き出せた時、予見は修正を余儀なくされる。
だが逆に、お客様の意見に寄り過ぎてしまうと、ビジネスとしては成立しないものになってしまったり、素人考えゆえに、却ってお客様の問題解決につながらないことにもなりかねない。
だからこそ「予見(予想、仮説)を持ってお客様のご意見を聞き、予見とお客様のご意見の中間にこそ、正解がある」のである。
つくづく肝に命じておきたいもの。
まぁ、ご参考ということで。