人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

職業、武道家

昨日、ある案件でインタビューを行った。

インタビュイーは、会社員の方であるが、お話を伺いたいと思ったのは、会社員の傍ら趣味として楽器演奏を行なっている人のインサイトを探りたかったから。

 

以前お仕事の関係で小生が知己を得て、facebook 上でもお付き合いが続いていて、時々ピアノ演奏の投稿をされているのを拝見していたので、図々しくもインタビューをお願いした次第。

で、そのインタビューでお話いただいたことは、本当に心を揺さぶるものであった。

 

幼稚園から始まった、52年に渡るピアノ歴。

幼少期にピアニストを志したものの、思春期に別の分野に興味が移る。

 

練習は続けつつ、大学受験で音楽ではないものの芸大を受験し、在学中は音楽を心から楽しむ。

社会人デビューは専門の建築の世界へ進み、環境が変わりながらも、ずっとピアノの演奏と練習を重ね続けていらっしゃる。

 

今でも音大入学を目指して練習しているんです、とも、老後はかつて所属した企業で建てた、ベトナムの孤児院でピアノを教えるのが夢なんです、とも。

なんて素敵なピアノ人生なのだろう。

 

例えピアノの演奏で生活をしていなくても、こういう方こそ「ピアニスト」と呼んでいいのではないだろうか。

いや、寧ろ職業演奏家よりも、純粋にピアノに向き合っていらっしゃるようにも感じる。

 

思えば小生の師匠も、そのまた師匠も、合気道の指導を、あえて職業にしてこなかった方々で、その理由も純粋に合気道に向き合うためであったと理解している。

しかし、その人生はやはり武道家である。

 

若い頃から情熱を傾けてきたものがある人には、それを仕事にするのかしないのか、したとすればいつまで可能性を追求するのか、仕事にしなかったとしたら、その後どのような距離感で関わっていくのか、真剣に悩むことと思う。

昨日のインタビューは、その悩みに対して、(小生にとっても)一つの答えを示してくれるような気がしたのである。

 

道家といわれるその日まで、真摯に精進を重ねたいものである。

まぁ、ご参考ということで。