人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

人材は財産か、コストか

記事のリンクを貼っておこう。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/011500139/?P=1&ST=smart

 

グローバル企業の調査で、日本企業の社員向け教育投資が主要国で最低だったという話である。

最初に小生のスタンスを申し上げておくと、人材を甘やかす会社にも、人材に投資できない企業にも、未来は無いと考えている。

 

一方で、教育投資が低いことを指弾するだけではあんまり意味がなくて、その背景を理解しておくことが、状況改善の第一歩なのではないか。

思うに、日本で教育投資が低調なのは、その雇用形態に理由があるのでは、と思う。

 

企業が投資をする以上、その投資対効果というのは必ず論点になる。

一方で、日本のホワイトカラー、特に文系総合職というのは、その役割が定型化されておらず、その名の通り、さまざまな業務に総合的に対応出来ることが期待される。

 

そうなると、その総合力を底上げする教育というものは存在しない、もしくは教育効果の測定ができないから、研修にも派遣し難い、ということになるのではないか。

また、製造の現場では、最先端の領域を外部に学ぶことは、ほぼないから、外部に学ぶとすれば、製造プロセスとか、マネジメントとか、限定された領域に限られ、なおかつその辺りであれば、きっちりやってきたのではないだろうか。

 

そんなことを考えると、特に文系総合職においては、自社の方向性や、自分への会社の期待値を踏まえた上で、何のプロを目指すかを主体的に考え、会社と交渉して教育投資を引き出すくらいのイニシアチブが求められるのではないか。

そういうことができる人材は、間違いなく組織にとって財産だし、結構な確率でお金は出してくれるような気がする。

 

もちろん、独りよがりなスキルアップを画策しても、会社としては微妙だし、一方で会社がキャリアプランを提示してくれるのを待っているだけでは、永遠にキャリアップのチャンスは巡ってこないのだと思う。

だってきょうび、その会社自身が未来を描けずに思考錯誤しているのだから。

 

財産かコストか、経営側だけでなく、働く側にもその意識が問われているのではないだろうか?

まぁ、ご参考ということで。