人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

目に見えない成果に対する努力

武術の稽古というのは、最初のうちは目に見えて上達するけれど、それはせいぜい初段まで。

期間にすると2〜3年というところだろうか。

 

そこから先は、少なくとも素人目には見えない成果を、どう作り上げていくか、という営みになる。

スポーツであれば、タイムなり、負荷なり、勝敗なりという、目に見える形で成果を測れるので、努力を継続しやすいと思うのだが。

 

ビジネスのマネジメント的な考え方においては、測定できないものは改善しようがないので、そのための努力は行わないという割り切りもあるのだが、昨今は企業や組織の「目に見えない」要素に着目して、なんらかの改善を図ろうとする取り組みも広がってきたように思う。

今日、ある上場会社で行われた、社内提案制度の最終審査会にオブザーバーとして参加してきた。

 

社内提案制度といえばリクルートが有名だが、あの会社の社内提案制度を支える文化や、関わる人々の視点、経験といったところは、いずれも目に見えないところで真似できないものがあるのだが、今日のクライアントも、負けず劣らず真似できない領域に到達しつつあるのではないかと強く感じた。

我々がお手伝いして5年になるが、審査に参加する役職員の当事者意識と、「自由闊達」とはこういうことを言うのだ、と思わせる審査会、まさに非凡である。

 

また、起案者の提案内容や熱意、プレゼンテーションの質の高さ、事業検証の為の行動力は、年々向上していると言って良い。

事務局の運営も、オペレーションから事業化に向けたネゴシエーションまで、相当上手だし、文化として継承されている兆しも見えてきた。

 

「真似できない領域」と評価させていただいた部分は、いずれも「目に見えない成果」。

関係者の努力には脱帽であるが、振り返ればあっという間の5年。

 

「たかが」といえば語弊があるかもしれないけれど、たかが5年で成果は生まれるのである。

成果が目に見えることはなくても、チャレンジを開始し、努力を続ける理由にはならないだろうか?

 

まぁ、ご参考ということで。