人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

不合理な意思決定

小生と別の分野でコンサルタントとして活躍されている方とディスカッションをしたのだが、新規事業を行うという意思決定は、本来かなり不合理なものなのではないか、という意見が出た。

新規事業というのは、その会社として未知の領域へのチャレンジであり、ある種の未来予測であり、不確実なものである。

 

よく練られた事業提案でも、五分五分というのが関係者の感覚値であり、殆どの事業提案がそれ以下になる(新店舗などは、基礎データがあり、変数に限りがあるので五分五分ということは無いのだが)。

なので、合理的には殆どの事業提案は、やらない方が正しいし、よく練られた五分五分のそれでも、リスク回避行動としては行わない方が無難ということになる。

 

にもかかわらず、(多くはないとは言え)なぜ事業開始を意思決定してしまうのか?

その決断は、きわめて不合理な意思決定、事業についての合理性の観点からは「誤った」判断をしているのではないか?

 

振り返ってみると、意思決定者がやりたいと思っていたテーマだったり、起案者の成長を期待してのチャレンジだったり、会社が信じる理想の実現だったり、そろそろ何かやらないとヤバいという背景があったり、といった事情があった案件は小生も記憶にあり、事業評価についての合理性が担保された意思決定だったかというと、疑問符がつく。

しかし成功しているものも多く存在するのだが。

 

新規事業が不確実なものである以上、まずはチャレンジしてみるべし、というスタンスは変わらないのだが、起案者にとっては、事業化のゴーサインをもらうために、合理性だけではなく、決裁者の感情や心理を理解し、ノーと言わせない「不合理な」揺さぶりも必要なのではないか、なんていうことを考えたり。

まぁ、ご参考ということで。