人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

人間関係は引き継げない

長く営業の仕事をしていると、人事異動やらで前任者から顧客を引き継ぐこともあるし、自分が誰かに引き渡すこともある。

前任者からは、「このお客さんは関係性も取引も良好だったので、大事にするように」と申し送りを受けて担当を任され、プレッシャーを感じつつも、気合を入れて商談に望んだものである。

 

それでまぁ何とか関係性を良好に保ちながら、実績は作れるのだけど、いい年になって最近思うのは、顧客との深い人間関係というのは、結局は引き継げないんじゃないかと思う。

ビジネスのロジックで会話が成立するのは、はっきり言って当たり前だから、あえて言及する程の「良好な関係性」というのは、「ビジネスのシーンを超えてまで」というような、ある種の友人関係までを包含するレベルなのだろう。

 

だとすれば、プライベートでは友人関係を誰かに引き継いだりはしないので、そのレベルの人間関係は、人には渡せない。

小生も含め、それでも引き継げたパターンというのは、後任の人間が頑張って「初めまして」の状態から友人関係まで持って行ったからだろう。

 

それを踏まえると、特定のキーパーソンが、顧客との深い関係性でビジネスを成立させている会社というのは、結構継続が難しいということだ。

優秀なキーパーソンが作り上げた顧客との関係性は、誰にも引き継げないので、後に誰かが続くとしても、その人間が関係性をゼロリセットで作り上げなければならないので、優秀な人材を本気で採用し続けなければならない。

 

そんなことを踏まえて、長期戦略を作らなければ、そんな企業の永続的な発展は難しいだろう。

顧客基盤とは、盤石なようで、維持発展がとても難しいものである。

 

まぁ、ご参考ということで。