人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

趣味を仕事に生かす

何度かコメントしているが、小生は高校生の時から武道を学び始め、二十数年を経た現在もずっと稽古を続けている。

今も武道が本業だと思っている(世間的には趣味と言うべきなのだろう)が、今日はそのあたりと仕事との関わりの話を。

 

それこそ若い頃というのは、アイデンティティそのものも不安定だし、社会人としてちゃんとやっていけるか不確かな中で、武道を研鑽しながら、「なんとはなれば、こちらで一流を目指せば良い」という、拠り所であり逃げ場でもある役割を果たしていたのは確かだろう。

一方で、武道というのは、それそのものがビジネスパーソンとして役に立つことは、ほぼ無い(あったら問題だ)。

 

その面では、ゴルフをやっていた方がよほど役に立つとずっと思っている。

副次的には、日本の伝統がベースにある一方、多くの人はよく知らない世界なので、話のネタとして生きることはある(外国の方と接する機会が多ければ、より生きるのかもしれない)。

 

一般的にはざっとそんなところだろうが、ここから先は小生が個人として意識していることを。

武道というのは、ある歴史的背景をもった技術体系なのだが、それに取り組むということは、歴史的背景を通じて大袈裟に言えば、「人間とは何か」「文化とは何か」を理解することであり、技術体系の体現を通じて「学びとは何か」「成長するとは何か」を体感することであり、いずれも武道以外(もちろん仕事にも)に展開できる筈だと考えている(少なくとも小生の師匠は、それを伝えようとしてくださっていると思う)。

 

もう一つは、「姿勢」である。

よく、二十数年続けていることをご評価いただく機会が多いのだが、個人的には長く続けていること自体に全く意味はないと思う。

 

大事なことは、続けて行く中で進歩しているのかどうかであり、進歩のない継続は単なる習慣でしかなく、それだけの姿勢で日々向き合えているのか、というのは、小生自身まだまだ甘いと考えている。

また、武道特有の要素として、社会的に人格者であることを期待されているので、「流派の看板を背負っている」というのはあまりに僭越だが、「やっぱり武道をやっている人はちゃんとしてるんだね」と言われる程度の姿勢は求められていると自覚しているつもりである。

 

そういう意味では、武道を通じて、仕事も含めた「ことに向き合う」姿勢というのは、醸成された面は否めない。

ともかく、たとえ趣味と言えども、向き合い方次第で色々な活かし方があるのだと思うのだが、いかがだろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。