人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

転職エージェントも含めたマッチングビジネスと、自分のキャリアを何処まで第三者に預けるか、という話 その5

ということで、転職エージェントを含めた「マッチングビジネス」を成立させる要件を、三点に整理した。

では、転職を考えている人で、エージェント等の第三者に相談をするのが相応しいのはどんな人で、どんな「投げかけ」するのが良いのだろうか?

 

改めて要件を整理すると、①「取引のインパクト」が大きいこと、②「情報収集のコスト」が大きいこと、③「購買決定要因が曖昧であること」、と述べた。

それを転職者の位相で捉えると、

①「取引のインパクト」が大きいこと

→大抵の転職活動は、人生を左右する決断になるので、「取引のインパクト」は大きい。

そういう意味では、皆エージェントに相談する価値はあると思うが、例えばバイトから正社員になるとか、超ブラック企業から逃げ出すとか、失うものが無いステータスの人は、「取引のインパクト」は大きくないので、エージェントに相談する必要は無いのかもしれない。

 

②「情報収集のコスト」が大きいこと

重要なのは「深さ」と申し上げたが、端的に表現するなら、ポジションやミッションが重い転職であれば、「浅い」情報では進むか留まるかの判断は出来ない。

いわゆる「プレイヤー」「Job型」のポジションであれば、ネットや求人票レベルの情報で判断がつくので、相応のポジションの転職者の方が、エージェントを利用すると良いシーンが多くなるのではないだろうか。

 

③「購買決定要因が曖昧であること」

一般的には多くないが、キャリアビジョンがクリアな人は、そのキャリア構築に向けて自ら動いていくだけなので、少なくともエージェントに対して「相談」という格好にはならないと思う。

自分のキャリアストーリーに資する案件があるかないか、という限りでお付き合いすることになるだろう。

 

ということで、「もう絶対に辞めてやる」と言う程ではない勤務状況で、「ぺーぺー」と言う程でもないポジションにあり、「この先ちょっとどうしたらいいのかなぁ」というステータスの方が、エージェントとやり取りをするのに向いている、ということになるかもしれない。

もちろん、それ以外の方だって、エージェントを使っていいと思うし、こんなステータスの人でも、エージェントが応えきれないことはあるのだが。

 

その上で、どんな「投げかけ」をするのか、ということに関しては、また次回としたい。

続きます。