人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

正しいことを続けていないと、結局あとで困る

年齢が上がるとともに、転職が難しくなる人がいる。

案外そうでもない人もいる。

 

なんでだろうと毎度考えていて、ふと気付いた仮説の一つ。

今の仕事の関係で、異業種交流のコーディネートをする機会がいくつかあるのだが、異業種の立場から「そこはこうしたらいいのでは?」というアドバイスを貰っても、「いやぁ、仰ることはごもっともなのですが、ウチの会社ではこれこれこういう経緯でそういうことはやらないことになってまして…」という風に、気まずそうに答える人が、ボチボチいる。

 

一般的に正しく、素人でも思いつく話なのに、会社の特殊事情で正しいことが出来ない。

端的に言うと、こういう仕事ばかり続けていると、転職が難しくなってしまうのではないか、ということだ。

 

ここで言う「正しい」というのは、別に倫理的な意味でも、絶対的なレベルではないが、一般的にどこでもコンセンサスを得られるレベルでの正しさ、という程度の意味。

まぁ別に転職できることが必ずしも正しい訳ではないから、出来なくたってどうということはないのだが、上記のような「ちょっと変だよね、でも仕方ないよね」というような仕事というのは、所属する特殊な環境でしか通用しないスキルだし、それに精通するということは、他の汎用的なスキルや経験を積まない、ということでもある。

 

経理や人事といった、管理系職種の転職がしやすいのも、ある意味客観的な「正しさ」が決まっている仕事だから、とも言えるのかもしれない。

ともかく、ちゃんと正しいスタンス、方法論で経験を積んで、実績を出してきた人というのは、条件にこだわり過ぎなければ、意外と選択肢はあるような気がする。

 

王道・正攻法で歩んだ人に対して、例えば会社の規模が小さくなったとしても、「その経験を弊社の若手にも是非伝えて欲しい」というようなオファーは、実際に経験したことがあるのだが、特殊事情に塗れた人というのは、「その企業のインサイドの話としては興味深いけど、ちょっとウチではなぁ…」というフィードバックを受けたりする。

正しい仕事に取り組むことは、時に大変だし、だからこそ価値があるのだろうけれど、実際はその方が誇りを持って仕事を続けられるし、それをやらないと、結局あとで困るんじゃないかと思う次第。

 

まぁ、ご参考ということで。