人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「もっと具体的に」という質問に、具体例で返してはいけない

「もっと具体的に」という質問は、形のないもの、新しいもの、抽象的なものの説明を重ねていく場面で、良く出てくる。

「もっと具体的に」という要求に対して、真面目に具体例を返す、というのが一般的だが、それでは足りないと思っている。

 

もちろん、具体例がなければ説明できない事象と言うのはあるが、経験上「もっと具体的に」という質問が出る場合、質問者は話の内容の論理構造が見えていないから、質問をしていることが多い。

質問で具体例を引き出すことで、帰納的に論理構造を組み立てようとして、そのような質問を投げかけている、ということだ。

 

なので話者は、具体例を返すとしても、角度を変えて論理構造全体が見えるような例を返していかなければならないし、本来は前の説明を参照しつつ、論理構造自体の説明をし、更に新たな角度の具体例を提示して、説明の補強を行うのが親切だと思う。

それをやらないと、「具体的にって言うけど、いくつ例を上げればわかってもらえるんだ!?」対「何度聞いても話が見えない!そういうことを聞いているんじゃないのに!」という、誰も得しないパターンにハマる。

 

但し気をつけなければならないのは、往々にして、話者の論理構造自体がしっかりしていないので、そのパターンにハマるケースが、大いにあり得るということだ。

会話というのは、話し手も聞き手もスキルを求られるものだが、くれぐれも注意したい。

 

まぁ、ご参考ということで。