人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

過去に戻っても仕方がない

転職のひとつのパターンとして、「あの時に戻りたい」とでもいうようなタイプがある。

成功していた仕事、盛り上がっていた業界、「あの栄光をもう一度」という感じだ。
 
成功体験を再現性の高いものとするために、過去を振り返り、再度チャレンジするのであれば、ギリギリ分からないではない。
しかし、過去に戻るのは、基本的には筋が悪い手だと思っている。
 
一つは、一度捨てた世界に何故戻るのか、ということだ。
捨てたには捨てただけの理由があり、戻るということは、そもそもその理由とちゃんと向き合っていないか、今より苦しい状態にいて、「隣の芝が青く見えている」だけなのかもしれないからだ。
 
もう一つは、数年経てば必ず、「ゲームのルールが変わる」ということだ。
業界には必ずアップダウンの波が来る。
 
しかし、前に盛り上がった時と、今度の盛り上がりとは、端的に言うと「勝ちパターン」が変わっている。
法律や規制などの社会情勢も変わっているし、顧客やターゲットとすべき顧客自体も変化しているし、競合も増えているかもしれないし、テクノロジーも進化しているし、過去関わったキーパーソンたちは人事異動で業界を離れているかもしれない。
 
そうなると、意気揚々と過去の栄光を振りかざして戻ってきても、コテンパンにやられてしまう可能性は、非常に高い。
過去に戻りたいという気持ちは、ある程度の年齢を重ねていくと、抗い難く持ってしまうものだが、そのような考えは危険ではないだろうか。
 
結局のところ、常に変化する未来に向き合い、自らの機会として活かす以外に、道はないのだと思う。
まぁ、ご参考ということで。