人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

ストックとフロー

新規事業をテーマに、いろいろな企業とお話していると、時々遭遇するのが、ストックビジネスはフローを羨ましいと思い、フロービジネスはストックに憧れる、という場面である。
小生の経験した世界で言えば、金融では銀行がストックで、証券がフロー、人材では派遣がストックで、人材紹介がフローという感じであろうか。

実はいずれも隣の芝が青く見えているだけで、そちら側に活路を見出そうとしても、うまく行かない。
そもそも、それぞれのビジネスで活躍する人物像が違うし、すなわち人事制度の設計からオペレーションまで、全て違うということだ。

そしてストックもフローも、それぞれ固有の課題というか、宿命がある。
ストックは、いわゆる「チャリンチャリン」のビジネスだが、そんなありがたいビジネスは、現実的には利幅が少ないことが多い。

そして、その継続収益を生み出すストックは、絶えずリニューアル投資が必要になるのと、そのビジネスモデルが時代遅れになった時に、リカバリーが効かず、そのまま沈没していくリスクがある。
一方のフローは、たいてい利益率が高く、変化対応力もあって、良いビジネスではあるものの、「泳ぎ続けなければ死ぬ」という息苦しさと裏腹であることが多い。

斯様に異なるビジネスだから、チャレンジしても難しいし、そもそも自社の強みを活かしているとは言い難いのだが、相手の芝が青く見えている以上、今後もお話は出てくるのではないかと思う。
よくよく吟味して、お話を進めるのがよろしいのではないか。

まぁ、ご参考ということで。