人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

地方の中小企業に人材は転職するか?

ここしばらく立て続けに、地方企業へのUターンIターンのご相談を受けることが多かった。
小生、ファンドの人間として、地方の中小企業の経営陣を探す仕事をしていて感じたことだが、60歳前後のシニアと、介護等の事情で郷里に戻りたいというようなお話以外、難しいのではないかと考えている。

まず、地方移住を考える都心の住人の多くは、仕事を軸に選ぶというよりは、プライベートのライフスタイルを中心に考えるので、がっちり会社に貢献してもらう人を探すのが難しい。
そして、給与格差があるため、絶対額として年収を下げるケースが多くなるのと、そうなるとまた都会に戻るときの転職活動の難易度が上がる(転職活動も物理的に大変になる)、というところも大きい。

かといって、金額以外の魅力でで勝負をしようとしても、そんな勝負ができる会社というのは、なかなか無いもの(これは場所に関係なく、であるが)。なので、社風が良かったり、魅力的な技術があったとしても、都会の大手企業で働くキャリアとどちらが良いのか、というのは、正直後者を選ばざるを得ないだろう。
そして現役世代の人たちというのは、配偶者が仕事をしていたり、子供の学校やらなんやらで、できることなら転居はしたくないものである。

一方で、採用企業側も、どんな人が欲しいのか、採用した人材を活用しきることができるのか、という点が曖昧で、「漠然と企業ブランドで採用した後、放置、そして退職」というパターンになりやすく、正しいアプローチ、正しい活用ができていないという側面もある。
採用側の求める人材像が曖昧だと、転職希望者側も「本当に自分が求められている」実感が得にくく、上記ひっくるめた様々な障害を乗り越えてまで、地方企業へ転職しよう、というモチベーションが喚起されないのだ。

そんな諸々の状況をクリアできるのが、そんなに拘りなくこれまでの経験を活かしたいシニアと、特殊な事情がある地域出身者だと思う次第。
まぁ、ご参考ということで。