人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

曖昧さを排除していく

小生の仕事の一環で、採用企業のプロセス改善のお手伝いをするケースがある。

その中で、よく確認しなければならないのが、求める人物像から始まる、一連の概念・言葉の定義だ。

典型的なのは、「地頭」とか、「バイタリティ」とか、「コミュニケーション能力」などである。
「地頭」なんていうのは、あまり明確な定義がないものは当然なのだが、一見明確な定義がありそうな「バイタリティ」なんかでも、その言葉で想起するイメージは、実は人それぞれだったりする。

その辺をクリアにしてあげて、求人票に落とし込むのがエージェントのウデなのだが、転職希望者の方でも、会社側が提示している概念・言葉を理解してあげる、読む必要がある。
そこを理解して進めないと、そもそも前に進まなかったり、結果が出ても違和感のあるオファーだったり、最悪は入社したら合わなかった、ということだってありうるからだ。

「バイタリティ」にしても、明るく元気なのか「ガツガツ」しているのか、体力的側面なのか知的側面なのか、絶対的な運動量なのか逆境でも足が止まらないことなのか、ぱっと思いつくだけでも、これだけ振れ幅がある。
実際の面接の場面で、細かい言葉の概念合わせみたいなことはできないので、シンプルで有用なのは、有名人を引き合いに出してすり合わせをすることだと思う。

人事系で一番ポピュラーなのは、理想のマネジメント/リーダーシップというテーマで、プロ野球の監督で比較するパターン。
小生もそんなに詳しいわけではないのだが、長嶋茂雄氏と野村克也氏の比較、そこに星野仙一氏と落合博満氏を加えた四象限で議論するのがよく出てくる。

選考プロセスで、あいまいな表現が重なってきたな、なんか上手くコミュニケーションがかみ合ってないな、という風に感じだしたら、「『○○な人』とおっしゃいますが、それは有名人で言うとどんなイメージでしょうか?」あるいは、「そんな理想を体現している御社の社員は、どんな方ですか?」というのを擦り合わせてみると、一つの例としてありだと思う。
まぁ、ご参考ということで。