人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

上場会社は有価証券報告書を見るのが基本。

あなたが転職しようと考えている会社が上場会社の場合、応募前に有価証券報告書を読んでおくことを、絶対的にお勧めしたい。
小生の中では、「読んでないヤツが居るのか?」というくらい基本の基本だ。

上場会社であれば、WebサイトにIRのページがあり、たいていそこに有価証券報告書があるか、無ければEDINETというサイトで検索出来る。
以下に、有価証券報告書で見ておくべきことを、幾つか。

・業績トレンド
冒頭に5年分の売上、利益が並んで記載しているが、ここで伸びているのか横ばいなのか、利益率は高いのかそうでもないのか、社員が増えているのか減っているのか、その辺を見る。
伸びている会社はゴタゴタしつつも雰囲気は前向きなことが多いし、社員が増えている会社は、転職者が変に目立つことも少ない。

・沿革
有名な会社でも、思いもよらない事業が創業事業だったりして、そのDNAが脈々と受け継がれていることがある。
そういったことを抑えているのは、入社後も有効だ。

事業概要
当然ながら、どんな事業に取り組んでいて、という理解もあるが、どこが儲かっているか、どこが伸びているか、というのがわかると、今後会社が向かっていく方向性であるとか、社内で発言権があるのはどの部門なのか、というのが想像しやすい。

・株主
オーナー系なのかそうでないのか、どこかの系列かそうでないのか、というのがわかる。
◯◯興産とか、◯◯産業とか、◯◯財団とか、漢字名のよく分からない会社が大株主の場合、だいたい創業家の資産管理会社なので、ある程度創業家の意向が反映される会社であることが多い。

・役員の情報
プロパー主義なのか、中途でも役員になれる可能性がある会社なのか、役員の経歴ではっきりする。
役員になる年齢で出世のスピードもわかるし、どんな経歴の人が出世しやすかったのかも把握できる。

・従業員の状況
平均年齢、平均勤続年数、平均年収が書いてあるので、とても重要。
あなたが交渉している条件が社員の平均を超えているのかどうかがわかるので、交渉の難易度や、企業からの期待値を類推しやすい。

事業等のリスク
先々を考えれば、当然理解はしておきたい。
とはいえ、「とりあえず全部書いてある」感じの記載なので、本当にリスクになるのは何処なのか、よく見極めたいところ。

・財務
色々あるのだが、こちらは専門書に譲りたい。

さて、「基本の基本」と申し上げた理由をご理解いただけただろうか?
もう一つ申し上げると、事業概要で読み取れる会社の方向性から、「自分はその方向性へ進むためのスキルと経験がある」というアピールを、応募書類でも面接でも、イヤらしくない範囲でできるとポイントが高いので、是非チャレンジしていただきたい。

もっとマニアックなポイントはたくさんあるのだが、今日はこの辺で。
まぁ、ご参考ということで。