人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

エージェントのゆるい話に乗ってみるのも一興

日系と外資で一番違うなと感じるのは、採用のシステマチックさである。
外資の方が戦略的といえば戦略的だが、融通が効かないといえば効かない。

エージェント稼業での体感値だが、基本的に採用企業が外資の場合、採用にあたっての求人票はその企業が書く。
エージェントはその求人票に見合った人を探してくれば良いし、転職希望者にはその求人票を渡せばとりあえず話は終わる。

あくまで、どんな仕事をさせたくて、どんな人間が欲しいのかは、企業が定め、エージェントは中身にあまり関与しないことが多い。
一方、日系企業の場合、求人票はエージェントが書くことが多い。

もちろん組織だった会社は求人票を用意してくれるし、エージェントが書いた求人票をチェックしてもらう体制の会社もある。
なんでそうなったか、というのは、組織に対する考え方とか、雇用の歴史とか、日本のエージェントビジネスの構造とか、いろいろあるんだけれども、とりあえず置いておいて。

日系企業が採用企業側の場合、エージェントが実権者の頭の中を忖度して書き上げた求人票というのがよく出てくる。
ポジティブな表現をすれば、採用権限のある人間が、明確に意志として持っているものの、上手く表出できないポジションを作ってあげるのだ。

ただし、裏を返すと、年収も、組織内での位置付けも、長期もしくは短期のミッションも、「ふわっと」していることが多い。
これ、外資育ちの方にこの辺のお話をして、「全くもって意味不明」というリアクションで迎えられたことが個人的に何度かあったが、日本人幹部層をメインとするエージェントの主戦場がこの領域だったりする。

しかし、さらに裏を返せば、「ふわっと」しているのは話の持って行きようでどうとでもなる、ということでもある。
もちろん、曖昧な話を大風呂敷でおっしゃっているエージェントも残念ながら居ないわけではないようなので、見極めは必要であるが、そんな「持って行きようでどうとでもなる」という話を楽しめるのであれば、エージェントのゆるい話に乗ってみるのも一興かと。

それこそ思いもよらない、ワクワクする展開になることもあるので。
まぁ、ご参考ということで。