人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

社員の頑張りに依存するビジネス

今日、ある経営者の方とやりとりをしていて、昨今のベンチャー界隈の話題になった。
曰く、「ヒットするゲームやサービスが出れば大きい、というのは、歌手や小説家のようなもので、ビジネスではあるけれど、ビジネスモデルではない。ビジネスモデルというのは、しっかりサイクルを回せるもので、資金を供給すれば回り続けて成長していくもの。」とのことだ。

おっしゃる通りだと思う。
例えて言えば、工場の機械のようなもので、原材料を投入すると、より付加価値の高いアウトプットが出るから意味があるのであって、何が出てくるかわからない、というのであれば、博打と一緒になってしまう。

話題が大型資金調達に端を発していたのだが、再現性が低いと言われる業界に身を置きながら、経営者は何と言って投資家からお金を集めていたのだろう。
そんな経営者の何割かは、きっと「弊社には優秀な人材が集まっていて、安定的に高いクオリティのアウトプットが出せる」と言っているはずだ。

小生は実を言うとそんな場面に何回も出くわしてきたし、一人の優秀な人材で、会社が劇的に発展していく場面も何度となく見てきたが、やはり優秀な人材を大量に放り込んでなんとかするのは、ビジネスであってビジネスモデルではないと思う。
確かに、無茶苦茶パワーとお金をかけてハイポテンシャルの人材を囲い込み、ガンガンモチベートさせて働いてもらう、かつてのリクルートは、ビジネスモデルと言ってよかったかもしれない。

あなたが転職活動を続けていくと、いくつかの場面で、あなたに対する高い期待値や、説得の言葉を、企業やエージェントから聞く事があるだろう。
もちろん職業人である以上、期待に応えるべく頑張るのは当然なのだが、あなたが頑張ろうとしているのは、あなたの頑張りでさらに加速できる「ビジネスモデル」なのだろうか、それとも頑張ってもどうなるかは不確実な「ビジネス」なのだろうか?

よくよく吟味されたし。
例え「ビジネス」でも、自分の力で「ビジネスモデル」にするというならそれもまた良し、である。

まぁ、ご参考ということで。