人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「12歳までの最強トレーニング」 読了 〜人に鍛えるべき時期はあるか〜

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12歳までの最強トレーニング

12歳までの最強トレーニング

 

 

本ブログで取り上げる書籍なのかは微妙だが、読書メモとしてあげておく。

本書はタイトルで何となくご理解いただけると思うが、12歳くらいまでにどんな運動、トレーニングをしておくのが良いのか、具体的なメニューと、その理論を解説した本である。

 

親として、子供の健全な成長には当然強い関心があり、値段も手頃でレビューも高かったので手にした次第。

解説はほどほど(物量としては雑誌Tarzan一冊分もない)、写真と図表で非常に見やすい。

 

が、トレーニングマニアからすれば、ごく普通の内容。

急激な肉体的成長を迎えるタイミングで、自分の身体のコントロールを身につける訓練をしておくことが、先々の大きな成長につながるという、当たり前といえば当たり前の内容(と思うのは小生がマニアで武術研究までやっているから?)。

 

本書のプログラムも当然効果があると思うし、小生が感じたのは「ナイキトレーニングクラブ」というアプリの初級レベルあたりをやっても良いのかなと。

ちなみに、このアプリは無料で何でも見られ、ナイキの気前の良さにブランドロイヤルティがバリバリ高まるという素晴らしい代物である。

 

ところで、よく知られていることだが、成長というものは、本トレーニングのように一定の時期にこなしておかないと身につかないものと、人生のいつの時期に始めても良いものと、二種類ある。

ビジネスパーソンが身につける類のことは、ほぼ全般「いつでも始めて良いもの」と言ってよい。

 

問題があるとすれば、年齢を重ねるほどに積み上げてきたものも多くなるので、そこに執着しすぎないかどうか、ということくらいだろう。

むしろ、新しいことを学ぶことに及び腰にさえならなければ、過去に学んだ経験は、新しい事象を理解するスピードを上げることすらあるのだ。

 

こちらのリンクでも、新規事業を成長させるのは、成長意欲の高い人材、とも言われている。

https://logmi.jp/business/articles/321375

 

小生の経験でも、たしかに年齢とは関係なく、成長意欲の有無は関連が強いと感じている。

とはいえ、成長意欲を高く持つ素養こそ、子供の頃の体験に紐付くような気がするので、若いうちに身につけておかなければならないような気がするが。

 

個人的な感想だけれども。

まぁ、ご参考ということで。

「ドキュメント 気象遭難」 読了 〜天災か、人災か〜

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ドキュメント 気象遭難 (ヤマケイ文庫)

ドキュメント 気象遭難 (ヤマケイ文庫)

 

 

実際にあった遭難事例を、著者が丁寧に掘り下げ、登山者の学びにつなげようというシリーズの一冊。

本書では、タイトルから推察されるように、気象現象を起因とした遭難事例を扱う。

 

このシリーズは依然、こちらを読んだ。

dai19761110.hatenablog.com

 

ビジネス上の危機管理、オペレーション構築に役立てられないかと思って、シリーズ2冊目なのだが、いやほんと「山怖ぇぇ」である。

山登りといえば、学校の遠足以外は高尾山に一度だけという、完全インドア派の小生からすると、この日本に、こうもアッサリ人間が死んでしまう苛酷な自然環境が沢山あることに驚き(単に小生の知識不足なのだが)。

 

前回読んだ「道迷い」は、タイトル通り人為的ミスの要素が色濃いだけに、今回の気象遭難は特に、自然の怖さが際立つ。

とはいえ、本書の事例も、いくつかの判断ミスが垣間見える事例が多い。

 

もっとも、何のミスもなく自然の脅威に晒されて遭難するケースは、振り返りをしても学びの要素がなく、書籍として成立しなくなってしまうのかもしれないが。

ともかく、いくつか学びをまとめておきたい。

 

「道迷い」でもあったが、撤退の意思決定の難しさは、こちらでも共通。

せっかくここまで来たのだからと、無理をしてしまう心理である。

 

「気象遭難」の場合は特に、事前の情報収集の重要性が際立つ。

例年どんな環境変化が起こるエリアなのか、アタックする近い未来はどんな気象条件なのか、これをちゃんと理解しているかどうかがまず大きい。

 

その上で、実際にその場に遭遇してしまった際に、無理をするのか、しないのか。

さらに、人知を尽くしても避けられなかった脅威を前に、どれだけ気持ちを強く持ち続けられるか。

 

慎重すぎる判断は、大きな果実を失うリスクと裏返しであり、この辺りはビジネスと、同じ。

しかし、そのチャレンジで失うかもしれないものが人命だとすれば、それは極めてバランスが悪いのである。

 

ほんの少しの余裕、しっかりとした準備、撤退する勇気。

当たり前のことだが、重要である。

 

まぁ、ご参考ということで。

「楽々ERDレッスン」 読了 〜ロジックが厳密であることの重要性〜

リンクはこちら。

楽々ERDレッスン (CodeZine BOOKS)

楽々ERDレッスン (CodeZine BOOKS)

 

 

たまたま仕事でER図という単語に触れ、その概念と論理の明確さに興味を持ち、買ってみた。

http://itref.fc2web.com/technology/entity_relationship_diagram.html

 

データベース設計に関わる概念なのだが、データベースって結局、ビジネスが理解できないと構築できないものだと思う。

もともとそう思っていたのだが、本書を読んで、やっぱりそうなのだなと再認識した。

 

本書は、初心のデータベースエンジニアに向けて、データ中心アプローチを主とした考え方を、著者独自の経験・理論で解説していくという体裁。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E4%B8%AD%E5%BF%83%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81

 

後半に、身近な材料(図書館の予約票、レシートなど)をER図に落としていく実習があり、小生のような非エンジニアにもとっつきやすい構成となっている。

とはいえ、理解度は半分くらいだと思うのだが。

 

その半分の理解でも思うところは、概念を最小構造まで分解し、それぞれの関係性を定義し、そのルールをきちんと守っていくことの重要さ。

ただロジカルなだけでなく、ビジネスを深いところまで理解しているからこそ導き出される、正確な構造の抽出が大事なのである。

 

なぜ大事かといえば、厳密に記述された構造は、現状を明らかにするだけでなく、その構造の課題や、あるべき姿まで明らかにするから。

先日紹介した「問題解決」という本でも、日本語表記の厳密さを要求していて、例えば「売上が低い」と「売上が下がっている」では、絶対値が同じだとしても、抽出された課題と解決策は全く異なると言っている。

 

ともかく、世のビジネスパーソンが全て本書の概念を理解する必要はないが、論理的にビジネスの構造を捉えておくことは、極めて重要だと認識させられる一冊である。

ちょっと古い本なので、現在どれほど役に立つノウハウなのかがわからないのだが、説いていることは、極めて本質だと感じている。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

新規事業創出の際に「経営資源」について気をつけること

新規事業を検討する際には、自社の経営資源を活かせるかどうか、という論点は必ず登場する。

もちろん、そこが活かせないと、競争優位が作りにくいからではあるが(活かせないのなら裸一貫で始めるのと変わらないし、そのために本業のリソースが割かれるのだとすれば、既存事業に対する悪影響すらあるからだ)、ここの検証が結構難しいと常日頃感じている。

 

一つは、何をもって経営資源とするかが曖昧であること。

新しい事業を始める際に、これまで積み上げてきた資源がプラスに働くか、マイナスに働くかは全くの未知数である。

 

いざ始めてみると、思いもよらない経営資源が役に立ったりして、コンサルタントという立場からするとお恥ずかしい限りなのだが、小生の経験上は「結果オーライ」だったことが多い。

新規事業の検討プロセスにおいては、自社の経営資源を棚卸しする作業をすることもあるのだが、棚卸しした経営資源から切れの良いアイデアが生まれたことは少ないし、狙った通り活かせた経験も乏しく、突っ込んで棚卸しをしても、あまり意味がないのでは、という印象を持っている。

 

小生のもう一つのキャリアである、転職エージェントの感覚でいうと、キャリアの棚卸しを頑張ってしたところで、実際に転職マーケットにぶつかってみないと何が評価されるかわからない、という感覚に近い(もちろんだからといって、キャリアの棚卸しに意味がないと言いたいわけではない)。

なので、棚卸し作業にパワーを使い続けても、あまり良い展開にはならないんじゃないか、という話。

 

むしろ、自社の好き嫌いとか、価値観に照らし合わせて、どの領域に進んでいくのが良いのか、という試行錯誤を重ねていくほうが、経営資源を活かす道に近付いていくような気がする。

同じくキャリアで表現すれば、「自己分析」をちゃんとやろうぜ、という感じである。

 

経営資源についてもう一つ難点を挙げると、「あると言われていても実際は無い」ことがある点だ。

「我が社には優秀なエンジニア集団が…」「多大な顧客資産と販売チャネルが…」「潤沢な現預金が…」という恵まれた会社だったとしても、ではその経営資源が実際に使えるかというと、殆どの場合が使えないのだ。

 

優秀なエンジニアを遊ばせていたり、販売チャネルを持て余していたり、全く使いみちのない現預金を預けっぱなしにしていたり、なんていう会社は存在しない。

むしろリソースは枯渇しているのが常であり、そういった経営資源を「新規事業に回してもらえませんか」とお願いしようものなら、「冗談じゃない!」というリアクションが普通なのである。

 

これは日本企業が長年に渡りビジネスを継続してきた裏返しで、もはや変化する社会について行くための維持・更新だけで汲々としているからだと思っている。

なので新規事業に投資をするためには、本当は何かをやめる決断とセットでないと、経営資源は割けないのだ。

 

こんなことを言い出すと、新規事業を検討している人たちには極めて不毛なのだが、経営資源を考慮する必要はあっても、あてにしてはならない。

自らの力で新規事業の可能性を証明し、その証明の結果、「お、だったらこっちにもチップを張ろうぜ」という理解を得てから資源配分を変更させる、という流れが作れて始めて、経営資源を活用することができる、というのが実態だと感じている。

 

そもそも何かをやめる決断ができるのなら、必然的に経営資源が浮いてしまうので、このような大変な思いはしなくてよいのだが、現実はそうではないし、この辺に、なかなか新規事業が生まれにくい背景が潜んでいるのではないかと考えている。

後味の悪い話で恐縮なのだが、新規事業を起案する人たちには、それだけの要求が課されていると思ったほうが良いだろう。

 

まぁ、ご参考ということで。

「トヨタ式5W1H1思考」 読了 〜やっぱトヨタすげぇ〜

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トヨタ式5W1H思考 カイゼン、イノベーションを生む究極の課題解決法

トヨタ式5W1H思考 カイゼン、イノベーションを生む究極の課題解決法

 

 

昨日エントリーした書籍「問題解決」の執筆陣は、トヨタ自動車とのプロジェクトを多く経験した模様で、ではそのトヨタの問題解決はどうだったのかと再認識したく、拝読した次第。

dai19761110.hatenablog.com

 

本書は、トヨタ生産方式カイゼン活動の取材を続けてきた著者が、そのエッセンスを事例とともに紹介するという立て付け。

エピソードが紹介され、都度まとめられている。

 

個人的には、トヨタカイゼン活動や、トヨタ生産方式に関する文章は、初見ではない。

「なぜなぜ分析」も雑誌連載で拝読したことがあり、ただ単純に「なぜ」を5回繰り返せば良いという訳ではないことは認識している。

 

その程度の認識はあったが、改めてまとまって紹介されると、なるほどと納得し、感心するものである。

なんとなくカイゼンというと、細かなプロセスの積み上げのように思うが、時に達成不可能と感じられるくらいのチャレンジに取り組むこともあるし、真の問題解決にならない現場の頑張りは、ただの「労働強化」でしかない、とか、個人的にはポジティブな驚き。

 

ここまでの取り組みを徹底的に実行するというのは、ストイックを通り越して、ある種の宗教的な営為(ネガティブなニュアンスではない)のように感じ、それは、製造業では広く類似の取り組みはされているけれども、「トヨタ」と「トヨタ以外」くらい違うのではないかと思わされる。

そしてその取り組みの徹底が、結果的に優秀な人材育成につながり、引退後も引く手数多、その人材の武勇伝もまた数多、ということに繋がるのだろう。

 

本書でも、こうしたカイゼン活動は組織風土と定義しており、たしかに一朝一夕には達成できなさそうである。

もちろん、不可能ではない訳であるが。

 

ライトに読める構成になっているし、即実践できるという訳ではないが、なんらかのヒントには繋がると思うので、なんらかの問題解決を目指すビジネスパーソンは、一読してみてはどうだろうか。

まぁ、ご参考ということで。

「問題解決」 読了 〜これはすごい本〜

まずはリンク。

問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術

問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術

 

 

ビジネススキルに資する本で、レビューが高いものは、基本的に買う方向なので、もはや何故購入したのか記憶にない。

直接のきっかけはKindleのセールだったのだろうか…。

 

ノーマークだったが故に、インパクトが大きいのかもしれないが、これは凄い本である。

戦略コンサルタント出身で、現在は社会人向けの教育プログラムを展開する著者による「問題解決」のレクチャー。

 

小生も、社会人5年目の時に「ビジネスとは問題解決である」と耳にタコができるほど言われて育ち、概ねそうだと思っている(新規事業は「問題提起」だと考える)。

なので、本書で提唱するスキルは、社会人にとってはかなり普遍的で強力な力になるはずである。

 

この20年、実際にビジネスの現場に居て、(実態はともかく)コンサルタントと名がつく仕事を10年くらいやっている小生から見ても、本書のメソッドのスマートさ、網羅性と深さは、即実践レベルだと感じた。

これだけのことをちゃんとクライアント先で披露できれば、たしかにコンサルティング業としてフィーは貰えると思う。

 

本書では、ある製造業の業務改革ストーリーを軸として、解説が挟まるという構成になっているのだが、そのストーリーがリアルなのも個人的には好感を持った。

思ったより上手くいかなかった、みたいな塩っぽいトライアンドエラーだったり、「うわ、こんなに検討するの、めんどくさっ!!でもやらないと結局道筋が見えなさそう…」といった現実の厳しさが、「これ本当にあった話だよね」という現実感で伝わってくる。

 

是非再読したいし、前著もあるようなので、機会を見て拝読したいと思っている。

少々長く、歯応えもある一冊なので、これは、「人より頭一つ抜きん出たい」と願う社会人向けの良書だと感じた。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

「ゼロから分かる!図解日本酒入門」 読了 〜わかっているようでわかっていないことが理解できるとスッキリする〜

リンクはこちら。

ゼロから分かる! 図解日本酒入門

ゼロから分かる! 図解日本酒入門

 

 

ワインの本も読んだので、その勢いでポチって、ズルズルと時間をかけて読んだ一冊。

日本酒の基本的なことを、イラストを交えながら丁寧に解説していく。

 

多分これで、日本酒に関するあらかたの知識は網羅されていることと思う。

大吟醸吟醸の違いとか、お燗の温度帯とか、食事との組み合わせ、作り方、地域性なんていうのが、読めばしっかり分かるようになっている。

 

お酒が飲めるようになって二十数年、日本酒については、なんだかわかったようなわからないような感じで過ごしてきたが、いざ、まとめてインプットしてみると、「なんだ、こんなことだったのか」というシンプルさ。

もちろんおかげさまで、頭も気持ちもスッキリするのだが、きっと世の中、「わかっているようでわかっていなくて、それでいてそのままのこと」というのが沢山あるんだろうな、という風に思わされる。

 

些細なことでも、ちゃんと勉強するべきだなと、改めて思わされたりする次第。

少しでも日本酒の良さを感じている人であれば、一読することで何倍も楽しめるようになると思うので、お酒とともに是非ご一読を。

 

まぁ、ご参考ということで。