人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「MUJI式 世界で愛されるマーケティング」読了

まずはリンクを貼っておく。

MUJI式 世界で愛されるマーケティング https://www.amazon.co.jp/dp/B01N442AFT/ref=cm_sw_r_cp_api_EDMOAbH2AA7MH

 

実際に同社での勤務経験を持ち、現在は学術界に身を置く著者による書籍。

良品計画マーケティング戦略を、平易に解説しており、日本人であれば無印良品の購買体験もあるだろうから、腹落ち感のある話が満載である。

 

それにしても、今「マーケティング戦略」とあっさり記したが、本書を読んでつくづく感じるのは、マーケティングとは戦略そのものであるということだ。

シンプルで機能的な商品を武器に、「これがいい」ではなく「これでいい」というボリュームゾーンを獲りに行くというのは、極めて大胆な戦略である。

 

もちろんこれは、安定成長期に入ったブランドだからとりうる戦略であって、創業期はあくまでも「コンセプトに共感してくれる人だけが買ってくれればいい」という、ニッチ戦略だったようだ。

結果的にそれがヒットし、マスマーケットを獲得できた、貴重なケースということであろう。

 

マーケティングというと、プロモーション施策をはじめとする、見せ方の問題だと思っている向きはまだまだ多いが、寧ろ、企業における戦略のことをマーケティングと呼ぶのだ、ということを感じさせてくれる書籍であった。

ついでに言うと、無印良品のことが益々好きになってしまいそうな、そんな本でもある。

 

更に余談だが、最近読書のペースが上がっているのは、iPhoneの自動読み上げ機能を使い、kindle版を移動中に聴き続けているから。

メモが取りにくいが、ドンドン読めるし目も疲れず、歩きスマホにもならないので、一度やってみることをお勧めする。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

プロフェッショナルのキャリア

ご存知の方はご存知であるが、小生はイチローが好きで好きでたまらない。

シーズン中の成績が悪いと仕事のモチベーションに影響を及ぼすくらいである(そういう人が沢山居ることも知っている)。

 

自分の可能性を信じて、能力を出来うる限り高め、それを世に問う。

それが全て、という在り方に共感をするのだ(そういう意味では、キングカズも同じように好きだけれど)。

 

今日、古巣のシアトル・マリナーズに最低年俸プラス出来高で復帰することが決まった。

https://full-count.jp/2018/03/08/post110877/

 

自分の可能性を信じているのなら、たとえ最低年俸でも、出来高契約が付いていれば上等だ。

ましてや、自分が最も結果を残せた環境から声がかかり、なおかつ自分の能力を活かせる機会・タイミングであれば、なんの文句があろうか。

 

未来の結果はわからないが、出来うる限り最高のパフォーマンスを発揮するだけである。

大変僭越だが、結果ではなく、本人に悔いの残らないプレイを期待するばかりである。

 

思えば小生も、ニッチな専門領域を追求する環境に身を置くことになった。

ニッチな専門領域というのは、比較対象がほぼ存在しない。

 

しかし、ビジネスとしての結果は日々求められる。

誰と比べればいいのかもよくわからない中で、求められる結果だけは出し続ける状況というのは、ある意味割り切って、自分の価値観をひたすら追求することと近いような気がする。

 

いや、寧ろそれ以外に、やりようがない状況ではないだろうか。

自分の可能性を信じて、世に問う。

 

プロフェッショナルというのは、そういうものだと信じている。

イチローにはいつも、野球以上の「何か」を感じてしまう。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

「星野リゾートの教科書」読了

まずはリンクを貼っておく。

星野リゾートの教科書

星野リゾートの教科書

 

 

日経トップリーダーという雑誌に連載されていた内容を、一冊の本にまとめており、章立ても細かく読みやすい。

星野リゾートの現場の課題において、どのような経営書(=教科書)を参照し、解決していったかを紹介していく内容で、星野社長の推薦図書集といった趣である。

 

マーケティングの本が多いが、戦略あり、古典ありという感じで、それなりにバリエーションがあって興味深い。

要諦としては、比較的古典に近い、評価の蓄積がある本を、とことん理解した上で、徹底的に教科書通りに実践する、ということだそうである。

 

結果を出し続けている人だけに、説得力もあるが、けだし正論である。

とはいえ、星野リゾートの現場でどんな課題があり、どう解決していったか、については、「星野リゾートの事件簿」

星野リゾートの事件簿 https://www.amazon.co.jp/dp/B00KNJK8IC/ref=cm_sw_r_cp_api_e29NAb14CJB9N

の方が、読み物として面白いかな、とは感じた。

 

サービス業に関わっていて、参考文献を広くあたりたいと考えている人には、良い示唆を与えてくれるのではないだろうか。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

いま、就職活動をするのなら

ま、そんなことを考えても、若い頃に戻れるわけでもなし、学生さんにアドバイスとして述べるとしても、最終的には本人の判断なので、責任のある話でもないのだが。

いくつかの判断軸はあると思う。

 

まず、大手を狙うかどうか、というのがある。

学生さんも薄々わかっていらっしゃると思うが、大手から中小への転職はあるけれど、逆はあんまりないし、待遇だって明らかに違う。

 

一方、それに対する大手以外からのカウンタートークは、組織が小さい故の権限委譲と、成長の早さ、というのが良くあるパターンだろう。

だいたいその通りなのだが、ではそのロジックに馴染めるかは、瞬発力の有る無しが要求されるので、人によって判断は分かれるだろう。

 

それから、最初に入った会社で、何を得るつもりなのか、という判断もある。

ざっくり、看板を取りに行くのか、経験を取りに行くのか、という分かれ方があるのではないか。

 

看板を取りに行くのは、外からの見え方という意味で、そのステータスが付くまでは居続けるだろうし(大企業の部長さんみたいな)、もっといい看板が得られる機会なら、あっさり転職するかもしれない。

経験を取りに行く方は、その時々にその環境だから得られる経験やスキルを求めるという感じで、良い経験やスキル向上が期待できるならば、ずっとその会社に入れば良い。

 

大手かどうか、何を得たいか、という二軸を出してみて、もちろんもっと沢山あるのだが、振り返ると小生はこの辺で決めたような気がする(大手×経験)。

そして最初の会社を辞めたのは、期待していた経験が得られなくなったから(新卒で銀行に入ったから転職出来たのは確かだったと思うので、諸々正解だったのかもしれない)。

 

で、今なら何処に行くか?

大手は確かに良いのだが、20年ほど前ほどのブランド力はなくなっているような気がする(一部のハイブランドとそれ以外に開いているような気がする)。

 

経験も、大手で得られる経験の相対的な価値は落ちているような気もする。

若いうちの転職も、ますます違和感がなくなってきている気がする。

 

ということで、小生だったら、受かるかどうかは別にして、中国のネット企業を受けてみたい。

勤めて三年という目標値で、いま最も伸びていて、全く違う企業文化の環境に身を置いてみるというのは、いまだから出来る経験だし、中国のネット企業での三年は、その後どの国の会社に所属するとしても、ネタにはなると思うのだ。

 

結果的に給与水準も上がるかもしれないしね(笑)。

http://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/3872285/

 

別に中国や中国企業に特別な思い入れはないのだが、ドライに経験を追求すると、そんな判断もアリではないかと思うのだ。

踏み台みたいで申し訳ないし、そもそも雇ってくれないと思うけど(笑)。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

「キャズム2」 読了

リンクを貼っておく。

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

 

 

泣く子も黙る、ハイテクマーケティングの有名本。

1991年初版のようなので、かれこれ四半世紀経過したことになる。

 

「2」となっているが、これは文中で引用する事例を、21世紀に入ってからのものにするべく改定を行なったので、内容そのものは91年と変わっていないそうである。

ご存知ない方のために解説しておくと、市場を正規分布曲線で描いた時に、新しいプロダクトに飛びつく顧客から、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードという五つのタイプに分類した上で、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に横たわる、深い谷を「キャズム」と呼び、それをスタートアップが如何に越えるか、ということについて説いた本である。

 

泣く子も黙ると言いながら、上記五分類は知っていたものの、小生は実際に本を読んだのは初めてで、何故キャズムを超えるのが難しいのか、あまり理解していなかった。

詳細は本書にあたっていただくとして、要するに、キャズムを超える時には、ターゲットとそのニーズが変わるので、それまでの成功パターンを捨てなければならないというマインドチェンジが難しいのと、アーリーマジョリティが求める価値を現実に提供するのが無茶苦茶大半だから、ということだと理解した。

 

そりゃそうだ、と納得である。

超えられないのもむべなるかな、である。

 

一方で、読んでいてふと感じたのは、これは新規事業で起こりがちなフラストレーションと同じであるということだ。

新規事業を提案する側は、まずは立ち上がるために、初期市場と呼ばれるイノベーター、アーリーアダプターにフォーカスした事業計画を作る。

 

しかしそれを評価する側は、主にマジョリティ向けのビジネスをやってきた人達で、その事業計画がどうにも受け入れ難い。

その行き違いの挙句、双方でフラストレーションを貯めるという事例を散々見てきた。

 

しかし、お互いを非難しても仕方がないし、分かり合えないと諦めても前には進まない。

本書を読んで、両者の間では、見えている世界観が違うのだけれど、事業の成長ステージ(対象顧客)、即ち時間軸の問題として整理していけば、折り合いをつけられるのかもしれない、そんな気付きが得られた本であった。

 

およそ「事業計画」と名の付くものに関わるひとは、一度読んでおいて損は無いと思う。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

課題解決のスコープ

今、あるミートアップイベントに参加しているのだが、大企業の研究開発の先進事例やら、話題のスタートアップのピッチをお聞きしている。

これはすごい、というのもあるし、それはなかなか事業化が厳しそうだね、というのもある。

 

技術開発系のテーマが多いのだが、開発した技術の用途・目的がはっきりしているものは、成果につながりやすいようだし、「まずは初めてみる」というタイプでスタートしたものは、なかなか苦戦しているようだ。

マーケティング目線では、当たり前といえば当たり前の帰結なのだが、一方の苦戦している方も、商業ベースでは先が見えにくいものの、人類の進歩には大きく役立ちそうだったりして、判断が難しいところである。

 

営利企業のR&Dではあるので、続けることに限界はあるようにも思うのだが、日本の企業文化なのか、割と大らかに研究を続けられている雰囲気があり、「大企業やっぱスゲー」という凄みがある(とはいえ全面的に肯定している訳でもない)。

一方のスタートアップも、最近はファイナンスが潤沢なので、比較的足の長いR&Dもできるようになったが、基本は2〜3年でマネタイズを図らねばならず、正直、技術的な奥行きは乏しいように思う(本当にそんなことできるの?という感覚が残る)が、エンドを決めて(決められて)活動しているので、商用化の可能性は高そう。

 

どちらがイノベーティブか、比較するような話ではないものの、社会をより良く変革するためには、どちらのアプローチが適切なのか、考えさせられるところである。

長期の課題解決、短期の課題解決、それぞれ必要性があって、社会全体の枠組みの中で取り組んでいく話なのかもしれないが。

 

社会における自社の立ち位置を踏まえて、どんなアプローチで何の課題を解決していくのか、そんなことを考えてみるのも良いかもしれない。

雑談めいていて恐縮だが。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

 

人柄はモノを言う

人間は共感の生き物だ。

共感すれば応援するし、しなければ正しい意見でも賛同しない。

 

もちろん時として、それ故に大きな判断ミスをすることがあるのだが、ともかくそうやって人類は今日まで生き延びてきた。

仕事の場面でも、一生懸命、真剣に何かに取り組んでいる人は、多少ズレていたって支援者が現れるもの。

 

逆に、少しでも虚栄心や独善性、傲慢さが見えると、周囲は一気に引いていく。

人間というのは、本能や直感でそういうところを見極めるんじゃないだろうか。

 

なにも、性格を良くしろと申し上げるつもりはない。

しかし、「事に向き合う」において、邪な心があると、共感の輪は広がらないよ、とは申し上げておきたい。

 

今日も色々思うところがあった(苦笑)。

まぁ、ご参考ということで。