人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

インタビューのコツその2

さて、「貴方はどのような異性を魅力的だと感じるか?」という問いをするとして、もう一つの落とし穴は、小生がこの問いを提示しておいて恐縮だが、この質問そのものに含まれる。

というのは、このような抽象的な問いに対して、正確な回答ができる人間というのは、極めて稀だからだ。

 

よほど抽象的な思考に長けた人か、普段から「自分のタイプとは何か?」を考えているちょっと変わった人でもない限り、そもそも質問への回答そのものに戸惑ってしまう筈だ。

そして、その回答自体も、間違っていることが多い。

 

皆さんも、「自分の好みはこんなタイプ」と語っていた友人が、全然違うタイプの人間と付き合っているのを見たことがあるに違いない。

「なんだそれ?」である。

 

では、どのように聞くべきか?

それは即ち、「今付き合っている人(直近付き合った人)は、どんなタイプか?」である。

 

商品で言えば、リアルな購買体験を聞くということだ。

付き合っている人はどんな人か?どのような経緯で付き合うことになったのか?付き合っても良いと思ったポイントは何か?付き合って不満に思うところは何か?…etc 

 

こういった質問から得られるインサイトは、とても深いし、ほぼ正確である。

一つだけ、難しいことがあるとすると、相手に購買体験がない場合だ。

 

異性とお付き合いしたことがない、というのもあるし、住宅購入とか転職とか、あまり経験したことがない領域というのは存在する。

そういった場合は、あまり理想論を語ってもらっても、妄想に近い話しか出てこない。

 

なので、一つの方法としては、その人の近しい人がお付き合いしている人、買った家、経験した転職について、感想や考えを述べてもらうというのが、次善の策として良いのではないかと思う。

長くなったが、2日分をまとめると、「自分のアイデアを聞くな、相手の購買体験を聞け!」である。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

インタビューのコツその1

新規事業構築や、転職、就職相談、そして営業系全般に重要なスキルが、インタビューである。

にもかかわらず、人によって上手い下手が激しいのも確かである。

 

世界的に有名なコンサルティングファームでも、コンサルタントごとの上手い下手の個人差が出てしまうらしい。

そんなに賢い人たちでも、一様にレベルが上げられない類のスキルというのは、大抵「落とし穴」があるのだと思う。

 

最大の落とし穴は、こちら側が聞きたいと思っていることを、ダイレクトに聞いてしまうことではないだろうか。

「そのためにインタビューしているんだから、聞くのは当たり前ではないか!」と思われるかもしれない。

 

しかし、例えばだが、異性に対して、「自分は魅力的か?」と質問して、有為なフィードバックが得られるだろうか?

相手がいい人であれば、「魅力的だ」と答えてくれるかもしれないが、ではお付き合いが始まるかというと、それはまた別の話であるはずだ。

 

想定顧客にビジネスプランを直接披露して、ポジティブなフィードバックがあっても、実際に買ってくれる訳ではないのだ。

では、どう聞くべきか?

 

異性の例えに戻れば、「貴方はどのような異性を魅力的だと感じるか?」だろう。

つまり、「自分の考えを聞く」のではなく、「相手を知る」、そのための質問をぶつけるのが良いと思っている。

 

殆どの人が、どうしても自分の考えのフィードバックが欲しくて、ストレートに聞いてしまうという落とし穴にはまる。

そしてその落とし穴の次は、もう一つ落とし穴がある。

 

続きはまた明日。

まぁ、ご参考ということで。

 

新卒採用と新規事業は似ている

いずれも、

・会社の超長期戦略実現のために取り組むのが王道

・日本的経営の良い面ではある

・組織に新陳代謝が生まれる

・相性がある

・全てが将来の屋台骨になる訳ではない(期待すべきだがコミットはさせられない)

・去っていく者もいる

・思いもよらないスターが誕生することもある

・育つのに時間がかかる

・育てる手間もかかる

・育てる手間を誰かに押し付けるとロクなことがない

・偉い人が評価しすぎてはいけない

・評価そのものにパワーをかけ過ぎても良くない

・適度な競争環境があって良いが、既存の人材や事業と比較してはいけない

・パッとはじめて、パッとやめるものではない

・組織の持続を是とするならば、絶対に必要

・基本的に、正解はない

・(いろんな意味で)愛情が必要

まぁ、ご参考ということで。

 

何をやるか、ではなく、何をやらないか

世の中結構「捨てられない」人というのは多い。

仕事においてもそうだ。

 

「これをやろう」と決めることは、それこそ毎日だって出来るが、「これはやらない」という風に割り切るのは、結構難しい。

何故ならば、やらないことを決めると、誰かからのお願いを断ってしまうことになるし、それはその誰かとの人間関係に影響するかもしれないし、収入だって減ってしまうかもしれないからだ。

 

しかし、それが嫌でなんでも受けていると、仕事は際限なく増えていく。

収入や人間関係が広がる可能性はあるものの、それはあくまでも短期的なものでしかないと思う。

 

なんでも受けていると、結局仕事のボリュームが増え続け、納期やクオリティに支障をきたすリスクが上がる。

専門分野を定めないから、深くならず、沢山こなしているわりにソリューションの質が上がらない(こなす為にアウトソースなんかしたら、余計上がらない)。

 

そして一番怖いのは、なんでも受けてくれる人というのは、ある種「都合のいい人」「言うことを聞く人」なので、絶対にビジネスパートナーのような、対等もしくは共同の立ち位置にはなれないと思っている。

逆に、「下請け」の地位から脱したいのであれば、目先は苦しくても、得意分野を定めるべく、「やらないこと」をどんどん決めていけば良いのだと思う。

 

わかってもらえるかなぁ。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

難しいことを、わかりやすく

こんな記事があって。

知識レベルに格差がありすぎると「普通に話しているだけ」なのに相手にとっては「バカにされている」ように感じる | Books&Apps

 

情報格差があると、力関係が発生する、とでも言えばいいだろうか。

以前、職場のブログでも書いたことがあるのだが、テクノロジーの進化は、好む人と好まない人、ついていける人とついていけない人を生み、大げさに言えば「分断」を生む。

 

今の時代というのは、それだけ分断すなわち情報格差を生みやすいということだ。

今日たまたま、「テレビは金がかかるので、ソーシャルでしか露出しない企業」の話題になったのだが、小生はテレビを全く見ず、主にネットとソーシャルで情報を仕入れているので、その企業はよく知っている一社だ。

 

一方、その場に参加していた一人は、あまりソーシャルに触れないスタンスなので、「名前は聞いたことがあるが、そこまでメジャーだとは知らなかった」という認識だった。

やはり、という印象であったが、情報格差はある種、社会進化の必然のようにも思うので、今後ますます、「わかる人」と「わからない人」、「知っている人」と「知らない人」の差は、社会の各所で、どんどん広がっていくだろう。

 

そのような認識を踏まえたうえで、いかにわかっていない人に、わかりやすい説明をするのか、という能力が、ますます大事になっていく。

実はとってもフラストレーションがたまる世界なんじゃないかと思っているのだが…。

 

まぁ、ご参考ということで。

力技がモノを言う時もある

コンサルティング、もしくはコンサルティングっぽい仕事というのは、戦略とか、戦術とか、方法論とか、どうしても「組み立て」っぽいことを考えることが多くなる。

組み立ての精度を高くして、クライアントが気持ちよく仕事ができるように、知恵を絞るのがミッションという表現だってできるので。

 

しかし時に、「策士策に溺れる」というほど賢いつもりはないのだが、「組み立て」にパワーを割きすぎて、コスト倒れ、労力過多になりそうなことがある。

マーケテイング施策を練り、ユーザー体験をデザインし、プロモーションをかけて、というものが、成果の上では、電話かけて見込み客を紹介してもらって口説くのと、あんまり変わらない、ということだってあるのだ。

 

特に最近のビジネスの流れは、「組み立て」を重視していて、ベタで単純な力技の方が、早くて安くて簡単でも、存在を忘れられやすいような気がする。

策に溺れることなく、何がもっとも最短距離で解決できるのか、というのは常に柔軟に考えておきたいものだ。

 

まぁ、ご参考ということで。

頭が固いのは、我々の方ではないのか?

縁あって、いろいろな会社の、いろいろな年代の方にお話をお聞きする機会がある。

中には大企業の創業者と、経営幹部のそれぞれとにお話をお聞きすることもある。

 

創業者や、世代的には自分たちの「上司の上司」にあたる人たちの話は、本当に面白い。

今ほどコンプライアンスにうるさくないし、日本自体のダイナミズムの問題もあるのだけれど、それにしても破天荒というか、しっちゃかめっちゃかで面白い。

 

ある創業オーナーは、経営幹部が如何に創業の事業を延命させるかを議論する中、「雇用が維持されるなら、全部捨てても構わない構わない」と言い放った。

また、某有名企業の伝説の企業内起業家は、その事業が黒字化するまで、本社に嘘の数字を申告していたそうである。

 

いずれも、「えぇっ!!」と声に出してしまうようなエピソードだし、良いか悪いかは別だが、少なくとも我々は、そこまでの「思考の振れ幅」を持っているかというと、甚だ疑問だと思うのだ。

せっかく今の時代に踏ん張っているのだから、やっぱり「思考の振れ幅」くらいは、先輩経営者よりぶっ飛んだモノを持っておきたいなと、意を新たにするのである。

 

さてさて、頭の固いのは、どちらだろうか?

まぁ、ご参考ということで。